真夜中の温泉街でカーチェス


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K軍曹尾行車を捲いた

マイクの無残な格好に唖然!

祖父は、午後から温泉に戻り、桧原家や好意で協力してくれる旅館に挨拶し、今回の事故なのか、事件なのか分からないが、長引いていることを報告した。

被害者は米軍の将校だが、公にできない事情があるようで、捜索隊の兵隊は不穏なグループで編成されているので、関わらない方が良いようにと伝えた。

その足で、コタンに回りもう一晩救援を依頼した。夕闇が迫ったころK軍曹から電話が入り、
「今、登別の海岸から温泉の方にカーブして、200メートル位入った、お店の脇に車を入れて、尾行車をチェックしています」公衆電話が目立つところにあるので、尾行車の確認をして10分くらい経ったので電話したと言う。

(ピンクの牡丹)

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今日も深夜の入院作戦

マイクの無残な格好に唖然!

「10分くらい経ちましたが、見えないので巻いたようです、30~40分くらいで着けるとおもいます」

マイクは
「了解、道は広くないので、スピード出さずに慎重に来てくれ」と、念を押した。祖父たちも準備に入り、昼の間に桧原さんの車と旅館の車の2台を移動用に借りてあり、鉱山で運転をしていた若い2人も借りた乗用車に向かった。
手作り担架が、また玄関前にスタンバイして4人のアイヌ若者が、マイクをベットのマットに乗せたまま移動してきた。祖父が
「20分くらい経ったので、道に出えて待っています」と一足先に出発した。温泉側の離れたバス停に、2台の車がエンジンを掛け、スモールランプを点けて待機。5~6分して、大型のセダンが分校前の坂を、音を立てずに下がってくる。

祖父が、手を挙げながら道に出た。車も静かに止まり小さな声で
「K軍曹です」と言い、車のハンドルを指さし
「ターンスペース?」と、言うので、祖父が
「アイ キャンユー」と、話かけると K軍曹が驚いて
「オー センキュー」と、助手席を指さし、祖父の乗車を確認して静かに動き出した。

旅館の前にのサークルを回り、戻ってくると担架も到着、その異様な集団にK軍曹はびっくり!
マイクも気付いて
「オー Kサージェント センキュー」と、手を少し上げたが、軍曹は声も出せずその変わり果てた、上官を見つめていてた。慌てて、後ろのドアを開け、座席をスライドさせスペースつくり助手席を前に出した。
マイクを乗せるのは、やはり困難な作業で折れている足には、力を掛けられないので上半身を座席の端にのせ、反対側に回った人が、抱えるようにしながら引く。

折れた足を後ろに投げ出しながら、何とか落ち着いた。大型車でなければ、できない乗り方である。
助手席に、松浦さんと和田先生がのり、1台を前に出して先導させ、後方の車に祖父と健太が乗り後ろを警戒しながら車列は、予定した時刻にスタートした。

K軍曹も、落ち着いたようでマイクに話しかけた。部隊の噂は、今朝からマイクの生存説が広まり、ケーリー曹長たちが微妙な立場になって、指示がないのにパトロールとかで、訓練でもないのにキャンプの外に出た。
事故直後の、捜索で転落したジープは、持ち去られたので地元の警察に、捜索依頼を出し、マイク少尉はあのヒグマの生息する原生林で、生存不可能と報告したらしい。

車列は、カルルス街道の最大の難所九十九折に差し掛かり、先導車は速度を落とした。当然全車が速度を落としながら、温泉神社の前まで来てほっとした。
神社前の道路が広がった部分は、U字のカーブで速度を落としていたが、対向車線を2台に車が猛スピードですれ違う。

K軍曹は急ブレーキを踏んだ

後続車も追突寸前で止まった

先生と松浦さんは、ダッシュボードに手で支えたが、マイクはずれて座席から落ちそうである。後の車から、祖父が下りて駆け寄って来た。
「アッツ ごめんなさい、あの車が尾行車です」

みんなも、
「エッツ!」と驚き、滝本館の社員寮の脇を、走り去る2台の車を見送った。
祖父は、直ぐ我に返り
「大至急、病院に逃げ込もう」と提案した。
先導車は、第一滝本館の入り口付近に停車し待っている。

祖父が
「俺たちは、奴らの車が折り返してくるかもしれないので、見張るから」と言い、K軍曹に至急病院に直行するように指示する。フォードは静かに発進、ライトをビームアップして先導車を促した。

病院の通用門で、事前に連絡が有ったらしく誘導し、裏口の扉も開けて待っていた。和田先生が下りて、待っていた医師と看護婦に挨拶もソコソコに、事情を説明していたが、移動寝台車が車の横に移動してきた。

やはり先生や看護婦だけではうまく降ろせず、アイヌの若者たちの慣れた手で移動車に移すことが出来た。K軍曹は折り返し祖父たちと見張り体制を敷きたいというので、マイクは谷沢千治さんと相談して作戦すること。このセダンは目立つから地元の車で、移動するように命令した。
K軍曹は、フォードを病院職員用の駐車場に移動して、先導してきた車に走り寄り乗り込んだ。アイヌの若者たちも全員乗りギュウギュウ詰めの、車は素早くターンして、裏門から出て行った。

和田先生が患者が風邪ひくぞ!

異様な入院に唖然としたスタッフ

我に返ったように動き出した。

祖父たちは、温泉神社入り口広場に車を入れ、道の端から見張ることにした。
折り返して来た先導車が祖父たちと合流しK軍曹と打合せ、K軍曹はは目立つので、車から出ず時々祖父が出て連絡や見張りを続けた。
奴らは、必ずここを通るので待つことにした。

K軍曹は、ケーリーたちが武装しているのか、少し心配していた。一般の住民とこんな事態になるとは、想定もして居ないったので、この状況をどんな形で中隊長に報告するか思案した。
K軍曹は、身長が175だが、戦闘服で拳銃も携帯して、車から一歩出るだけで目立つ。
あの尾行車が折り返して来るまで、見張るしか方法はないようだ。

第一滝本の社員寮の脇から、ハイビームの車が結構なスピードで向ってくる。接近して来るライトがマトモに当たるので、思わず全員が頭を低くして車に引っ込んだ。こちらの車を警戒すようでもなく、タイヤをきしませながら、温泉街を向って行った。

2台の車にすぐ集合し、すぐ後を追うように2台の車が動き出した。昼ならとてもできないだろうが、今は野良猫さえ姿を見せない真夜中、温泉街街頭はついているが人の姿はない。
2台の車は立場が逆になり、追跡車のようにゆっくりと温泉街を下った。

不審車も思いが同じらしく、スピードを落とし探りながら走っている。手ごろな駐車スペースを探しているようだが、正面のバスターミナルに目を付けたらしく、2台の車は3メートルくらい空いた入り口から断りもなく駐車場にはいってゆく。こちらは、サリ気なく右に曲がりそのままグランドホテルの入り口に付けて、そこから駐車場に入る。丁度温泉街の渓流を挟んでバスターミナルが目の前だ。絶好の監視体制だ。

国産のライトバンに集まり見張る。マイクが、このホテルの上にある登別温泉国立病院で治療中なのは、極秘中の極秘なのだが・・・

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