マイクさん転落現場を眺める

健太の留学

峠の崩落部分を眺める

祖父の隠れ家はその下に

冬季は通行止めだが、湯元でカルルス温泉の地区長を兼ねる養父の許可で、カルルス温泉からオロフレ峠に向けて、平たん部分を4輪駆動で進む。

「あんな断崖絶壁でしたか?上のパーキングからは見晴らしが良かったのだけが記憶にありますが、良く生きていたね」と、大型の双眼鏡を取り出して峠を眺めている。まるで他人事の様に話すマイクだ。

マイクが転落したのは、岩肌部分の左側からブッシュの切れ目から落ちたが、現在より崩落が進んでいなかったので、根曲がり竹やブッシュが全体を覆っていた。

祖父が造った、「オヤジの家」は、画像の右側で旧道の下になります。祖父は
「ここだけの話、洞窟はシークレットハウスなので、入り口と出口は違う方向にしてありますし、山の生き物も人間も簡単には見つけられないでしょう」

「洞窟の様なところに寝ていたのは覚えていますが、昼になっても暗い場所でベットは快適だった気がします」
「あの場所は、人間は滅多に近寄れないが誰にも知られたくない、プライベートな空間ですから~」

 

 

【出典:Wikipedia】

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健太は前から聞いてみたかった質問をした。
「ケリーさんは事故の日、一緒で無かったのはなぜですか?」と、2人の顔をみた。
「ケリーは、小隊の副長で当日は中隊長もオロフレに来るので、連絡係として副長クラスが残ったんだ」ケリーは
「私が同行すれば、事故は起こせなかったかもしれません」と、唇をかんだ。
「事故が起きたお蔭で、千治さんや健太君それにカルルスの人たちと交友が広がったんだ、良かったじゃないか」と、マイクは平気な顔だ。

祖父が
「オロフレツアーはこれ位にして、カルルスの温泉を楽しみませんか?」と言いながら、ジープの方に歩き出した。

マイクの事故当時は、右上部にお花畑があって、高山植物の密生地で春から秋まで何時も何かしらの花が咲いていました。

現在は、パーキングも整備された公園になっていますが、カルルス側からは登攀は難しく、オロフレトンネルを通って壮瞥側からお花畑の公園に入る様になっているようです。

岩井旅館にチェックインした米国陸軍の2人を、健太が付き添い「源泉垂れ流しの共同浴場」に案内した。

浴衣と丹前は特大サイズだが、2人のアメリカ人には10センチぐらい短い。健太は笑いを堪え乍ら先頭歩いてきた、それを見た先行の祖父と養父は、手を叩いて喜んでいた。

聞いてみると、仲居さんが着せ替え人形の様に、色々だしてきて何とか2人の巨人を送り出したらしいが、下駄を履いて着物の裾さばきがままならず、お風呂に到着するだけで疲れてしまったらしい。

マイクが
「皆がジロジロ見るし、歩きにくいし ジャパニーズスタイルは、疲れますね」と、言って笑っていた。
「ロッカーは?」と聞くので
「そこの、ケースに入れてください。健太が指さし自分も、脱ぎ始めた。

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温泉にパンツ姿で止められる

中に女性も入っている混浴場だ

2人も脱ぎ始めたが、ケリーがパンツを履いたま浴場に向かったので、健太が
「全部脱ぐのが、温泉ですよ」と、言って止めた。

マイクは、知って居たのかパンツを脱ぎ始めたが、恥ずかしそうな顔で
「皆もそうしているから、脱ごうよ」と、言ってケリーを促した。

温泉に入る前に、大騒ぎしているので、湯治のお客さんも珍しそうに眺めている。
マイクとケリーも度胸を決めたらしく
「レッツ ゴー」と、気合を入れて浴場に向かった。

おとなの祖父と養父は、もう口出しせず健太に任せたように、その後から続いた。
浴場に一歩入って驚いたのは、女性が何人か湯船で談笑しているではないか!
2人の外人さんは益々無口になり、目のやり場に困って居った。

養父は
「ここは、特別な場所でもないし、ゆっくり温泉を楽しめば好いんだよ」と、澄まして言う。祖父は、面白そうに
「夜になると、地元の若い女性が沢山来るよ」と、笑いを堪え乍ら、つぶやく。

健太が、湯船に行かず洗い場で身体を洗い始めたので、2人もその脇に来て真似をしながら全身を洗ってから、マイクは、ようやく落ち着いてきたらしく、湯船に足を入れた。
「日本の温泉は、全部このスタイルですか?」と、聞いてきた。
「別々の温泉もあるが、東北・北海道には混浴の処が多いらしいね」と、養父が。
ケリーは、未だ雰囲気に飲まれたのか無口だ!

祖父が
「ここの温泉は、飲めるので飲んでみる?」と、備え付けのコップに少し注いで、自分で飲んで見本を示し、コップを濯いで新しく注いでマイクに渡した。
マイクは、慎重に受け取り一口含んで
「おう~デリシャス」と、言って飲み干して、コップをケリーに渡した。ケリーも、誘われるように手を出し、新しい湯を汲んで味見をしてから飲み干した
「美味しいですね」と、言いながら
「なんか甘みを感じるのですが~」と、もう一杯お代わりをした。

健太が
「マイクさん、この温泉は、怪我や傷に効果が有ると言われています、早く治りますよ」と、言うと
「1週間くらい、休もうかな?」と、言うと、ケリーが
「引継ぎが有りますから,ダメです」と、きつい一言。

「なんの引継ぎですか」と、祖父が聞いた。
「僕の業務を、ケリー軍曹が引継ぎ、もうすぐ曹長になるんです、それが2日後です」と言いながら
「大丈夫、今回は転落事故なんか起きないから、確実に帰ります」と、ケリーが笑った。
「ケリーおめでとう!」と、養父と祖父が、ケリーに近づき浴槽の中で握手していた。

ケリーは、照れながら
「アリガトウゴザイマス」と、片言の日本語であいさつした。
マイクが湯船の中で
「皆さん、明日ランチかディナーに招待したいのですが?」と、祖父と養父を見た。
「今は冬休みだし、ここにいる人たちは暇人ばかりだから大丈夫だろう」と、言うと

祖父が
「どこでやるの?」と聞く。
「やはり、岩井旅館しかないでしょう」と、マイクが澄まして言う。
「ここは田舎だから、旅館の食材は少ないから、早めにオーダーを出して置いた方が安心だよ」と、言って養父の方を見た。
「あっそうだ、今日のランチも2日前にオーダーして丁度良かったが~」と、養父も気にしている

「でも、マイクたちの予約が有ったので、多めに用意しているんじゃないかな」と、養父。
マイクが
「では、奥さんやお嬢さんたちもご一緒に来てください」と、言った
「今日と同じメンバーになるのかな?」と、養父が聞くと
「もう少し、多くなるかもしれませんね」と、笑っている。
養父は
「カルルスに、マイクの知り合いがまだいたか あ~和田先生かな?でも今は室蘭だし~」と、首をひねった。

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