負傷の将校を背に乗せ藪の中を匍匐前進

ヒーロー誕生

オヤジの家は秘密

怪我人の救出

オヤジの家は秘密だが、祖父は許してくれるだろう。大人の怪我人を薮の中を運ぶか目をつぶって考えた。
「ここから近いですが、狭いところを通りますが大丈夫ですか?」と言ったが、マイクに聞いても返事の仕様が無いのは分っているが、聞いてみた。とにかく可なりきついことになりそうだ。
「歩くことは無理なので、僕の背中に乗るようにしてください」と、言いながら両手を地面についた。マイクが何か気づいたようでモゾモゾと小さなカバンを探って、皮の手袋を出した。
「さっきは、自分がパニックになり手袋のこと忘れていました、これを使ってください」と、渡した。
「少し大きいかもしれないですね』笑っていたが、少しどころではなくかなり大きい。

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人力タンカー

健司が両手を付いて構えると、マイクが動き出したがうまく乗れずに笹の上に転がりながら、何とか上半身だけ動かして奇妙な形の運搬車ができた。
「健太君重くてごめんなさい」と、謝りながら両肩にしがみ付いている。健太は、根曲り竹の隙間を探しながら、前に進むとマイクは上なので時々曲がった竹が跳ね返って顔を打ち、そのたびそのたび「うっ!」とうなる。声は抑えているので、軍人か特別な訓練を受けたのかなと思いながら進む。20分以上かかって、40メートルくらいの藪の中を抜けだした、もうあたりは薄暗くて「オヤジの家」も確認できないが、健太はどうしたら入口にたどり着けるか考えながら、上を見上げた。
「ここですか?」と小さい声を出した。
「そうですが・・・・」と声を濁した。何か気配を感じたのだ。誰かに付けられたような気分だ。あの外人が付いてきたのかと心配になってきた。

近くで、ボキッと音がした。

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兵隊が戻って来たっ!

健太もマイクも固まった

すぐ傍で、枯れ枝を踏んだらしい音がした。

健太が身構えたが、手には何もない!

マイクも腰のナイフに手を掛けたが、起き上がれない状態は同じだ!

「健太か~」と、低い声がした。
健太は、フ~ット気が抜けたように緊張が解け、両膝をついたまま両手も地面についた。

「じっちゃん」と、涙声になっていた。

祖父は、すぐわきの藪の中からのっそり出てきた。マイクと同じくらいの体格であることが、改めて確認できた。

「健太君の知り合いですか?!」と、マイクも震えるような声で聞く。
緊張したまま、不自由な右手でナイフの柄を掴もうとしている。

「マイクさん、僕のおじいさんです、安心してください」と紹介した。
マイクは、やっと安心したように地面に横たわった状態で
「アメリカ陸軍の、マイク・サタケです」と、少し自由が利く左手を挙げ名乗った

崩れた岩の割れ目に

中は整理された居間の様だ

「何か大変なことがあったようですね、谷沢 千治といいます」と、言いながら
「大分暗くなったので、オヤジの家に泊まることにしよう、もう少し我慢できますか?」とマイクの前にしゃがみ込んだ。

「これ以上悪いことは起きないでしょうから、頑張ります」
「まだ、あなたの友達がうろうろしているようなので、声を出さないようにしてください、健太、入口に回って入れるように、幅を広げなさい直接入るから、近い方だよ」

「じっちゃん一人で大丈夫!」
「大丈夫だよ、先に入って目張りを確認してからランプを灯けなさい」と、祖父は膝を着いた健太は、崖の下を右側に30メートルくらい回って、岩の割れ目に入り、トンネルを手探りで進んだ。オヤジの家は、真っ暗だがさっき出て行ったばかりなので、抓まずくこともない。
明り取りの3個の穴にたどり着き、備え付けの石をはめこみ隙間に枯草や苔で作ったクッション材を詰め込んだ。ランプに火を点けた。祖父は、マイクを背負い少し腰をかがめながら慎重に入って来た。健太がランプを差し出すと

「健太、こっちは気にせずベッド周りを整理してくれ」と祖父は、いつもの調子でマイクを背負っていることさえ、忘れているような様子だ。
マイクは、かなり弱ってきたのか、大きな祖父の背中でぐったりしている。いつもの倍くらいの時間がかかったが、マイクを部屋の真ん中の大きなベットに寝かせた。
ベットに気づいたマイクが
「ここは、誰か住んでいるのですか?」
「話せば長くなるので、もう少し回復したらゆっくり話しましょう」
「それより、痛めた部分を見せてください、応急処置をしておきたいのですが」

マイクはナイフとさっきのカバをンをベルトを外し健太に渡した。何か重いものも入っているようだ。マイクは、のろのろだが迷彩色の戦闘着を脱ぎ始めた。
健太は、部屋の端にあるカマドで火を起こしお湯の用意をしながら、棚にある木の箱から包帯やガーゼ・消毒薬などを取り出した。

「健太、そのそばにある湿布薬も出しておいてくれ、お湯が沸いたら、洗面器に入れてタオルも一緒にな」と、言いながらマイクの上着を脱がしている。下着姿になったがあっちっこちに血が滲みあざもあり、おでこからも血が流れた跡がある。

 

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