根曲がりの原生林でマイクと遭遇


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健太の養子縁組

現在の境遇と将来についてじっくり話し合った。祖父も、祖母と娘の千代を失くし気落ちしていたが、健太の将来が心配で、桧原さんの申しでにホットした。二人は桧原夫妻を交えて、話した内容をすべて打ち明け承諾の返事をした。

祖父は、さみしそうな顔と、重荷を下ろした安ど感で複雑な顔だが、笑顔が戻った。祖父はひとつだけ条件を出して、原生林の散策には健太を連れて行く事だった。「オヤジの家」の存在は重大な秘密を健太に継承し、この秘密も重大事だ。桧原夫妻は、いつも山菜を土産に帰ってくるので大賛成だった

(あんず咲く)

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健太も中学生だ!

桧原さんが道場に誘い稽古

父の死亡事故から5年くらい過ぎ、健太も来年から登別温泉の中学校にゆくことになる。両親や祖母を亡くして気落ちしている健太を、桧原さんが道場に誘い稽古を付けてくれた。祖父と父親譲りなのか12歳で165センチもあり、中学生か高校生に間違がわれていた。元々、運動は嫌いじゃなかったし、気晴らしのような勢いで稽古に励んだ。桧原さんは、黒帯を保証したが中学2・3年の頃が良いのではと、祖父と話ししていた。健太は、段位の受験は考えていなかったが、周りは受ければ2段は保証するよ!とか騒ぐが気にして居なかった・・・

今日は、祖父が用事があるので一人で「オヤジの家」にきたが、今では根曲がりだけの密生も気にせず、巧みにすり抜けて小川は石の上を飛びながらたどり着いた。書棚の本は、英語やオランダ語の本と日本の小説などあったが、読めないので外国の本は写真を見るだけでも楽しい時間である。祖父は、昔外国の船に乗って海外に行き、外国語もわかるらしいが、今の祖父を見る限り、想像が出来ない。時計を持っていないので、太陽の位置を見ようと外に出ると、崖の真上で何かが岩に当たったような大きな音がして、黒い物体が頭の上を原生林に飛んで行った。ガラガラとモノが壊れた様だが、また静かになった。

洞窟から、峠の上までは70~80メートル位あり、根曲がり竹が密生して居て、何があったのかよく分からず、それでも少し身を隠すように上の方を見ていた。耳を澄ますと何か喚いているようで日本語ではないようだ。内地の言葉も良く分からないがそれとは少し違う。何かあった事は確かだ、周りがしずかになって、小鳥の声の合間に下のから、小さな人の声が聞こえたようだ。祖父からは、「オヤジの家」は何があっても他人に知らせない約束になっているので、すぐ身を隠し「オヤジの家」に戻った。

根曲がりだけの人の気配が続く

健司は祖父譲りの動物的な第六感が強い

しばらく、じいっと動かないで様子をうかがっていたが、下のほうから聞こえた人の声が気になった。外に出て下の方を観察したが、やはり人の気配を感じるが、弱々しい・・・最近の健太は、祖父譲りの動物的な第六感が鋭く、小動物の動きも見極められ近くにに居るのは瀕死の人間か動物と判断した。ヒグマが撃たれて逃げ延びてきたのなら、用心しなくちゃいけないと好奇心が自然に体を動かす。

「オヤジの家」は、根曲がり竹の林より10メートル位の高さがあるが、降りるのも簡単には降りず、岩の間をすり抜けて岩の裂け目から地表に降りる。更に崖づたいに横に移動してから、根曲がり竹の林に入って、ケモノ道を静かに動き、微妙な気配を目標に近づいてゆく。怖さより好奇心がまさり、ヒグマも通るのだろうケモノ道を、這うように進む・・・

健太は、ヒグマとの遭遇が気になるそれより人間との遭遇は避けたいが、今はかすかに息づく人の気配だ!少し開けた前方に横たわっているのは、薄緑色の作業服を着た人間だ。、顔は見えないが髪は黒っぽく若い感じだ。肩で息しているのは、弱っているのだろう。健太は、動かない相手に危険性は感じないが、怖くて5メートル位の距離を近寄れなくて、固まったままだ。ベルトのケースにはナイフみたいなものがある

健太に気づいているはずだが、体を動かすことができないのか、ジットしている。怪我をしているようだが、相手が気づかないので、立ち去ろうかと考えたが、相手が敵であっても怪我人を見て助けなければ悔いることになる。祖父が知ったら、必ず怒るだろうなと思った。思い切って、近づき顔を覗いてみると日本人のようだった、少し安心して

「大丈夫ですか?}と声をかけたが、ぴくっとも動かないので前に回り込み、相手の肩に手を置いて、揺ってみたが気づかない。もう一度、大きく揺すってほっぺをぺたぺたと叩くと、まぶたが動き気づいたようだ。それでも、抵抗することもなく次第に眼を大きく開いた。

「大丈夫ですか?」と、また声をかけると、うなずいたように見えた。よく見ると、外人ではないが日本人でも無いような雰囲気だ。健太はさっきの大きな音と関係あるのだろうかと考えながら、服装などを観察した。両手が泥だらけで傷もある、膝にも土が付いて這ってきたようだ。
「どうしてここにいるのですか?」と、聞いてみる。

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ぼくに気づいてくれて、ありがとう

米国陸軍のマイク・サタケと言います

と、日本語で返事した。やっぱり日本人だった。
「自衛隊の人ですか?」と、言うと。
「私は、米陸軍のマイク・サタケと言います」と、言いながら体が痛むのか顔をゆがめた。
「詳しいことは、話せないのですが何処か隠れるところはないですか?」と、言ったが声は次第に弱くなってきた。健太も、

「僕は、桧原 健太といいます」
「登別温泉小学校カルルス分校の6年生です」と自己紹介をした。健太は太陽が傾いてきたのが気になるが、なんとか助ける方法がないか考えた。祖父から言われている「オヤジの家」の秘密を守りながら、助ける手はないか考えた。マイクが唇を舐めるようにしたので、健太が

「水を汲んできますが、何かありますか?」と、聞くとマイクは、腰の小さなカバンから、折りたたんだ袋みたいなものを出した。健太が受け取り、ほどいてみると栓が付いているので、折りたたみの水筒だった。

健太は、沢に向かったが下のほうから話し声が聞こえる、思わず腹這いになりながら、根曲り竹の藪に身を隠した。次第に声が大きくなり、言葉は英語のようだ。

マイクを探しているようなので、助けてもらおうかと考え少し体を起こして驚いた。10人くらいの外人だが、全員が小銃の様なものを脇に構えながら、進んでいる。周囲を見回しながら小川の石の上を飛びながら進んできたのだ。英語で、大きな声を出しながら怒っているような雰囲気である。健太の真横を進んでいるが、気づかずどんどん上流に進んで行った。マイクは、この連中とトラブル状態なのだと判断し、健太は沢から離れ、崖から湧いている泉のほうに移動して、水筒を満たした。

元の位置に戻ると、マイクさんが必至な形相で、体を起こそうとしている。
「マイクさん、どうしたの?」と、声を掛けると
「僕の仲間が来たでしょう?今は会いたくない連中なので、健太君のガードをしようとしたが、起き上れないようじゃ無理ですね!」と、照れていた。健司は決心した。

「マイクさん、あの人たちは兵隊でしたが相当悪そうでしたよ!10人くらいが銃を横に構えながら進んできましたよ!」

「そうです、よく気付きましたね横に構えているのは、弾丸が装てんされて居る証拠です、声を掛けなくて良かったです」 健太は、マイクの顔をしっかり見つめ

「マイクさんを隠すことを決めました」と言うと、

「センキュー!」と、短く返事をした。マイクは、嬉しそうな顔になった。水筒を渡すと、慌てて飲みむせかえって、照れながら飲みなおしていた。

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