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ヒーロー誕生

事故の深刻さと偉大な祖父

マイクの話は信じた! 祖父もマイクが遭遇した経緯を聞いて、肩で息をしたように見えた。マイクも食事は殆ど食べたが顔の赤みがあり、まだ熱があるのだろう。祖父が、マイクに声をかけ患部を点検した。和田先生からもらってきた薬を広げ、先生の説明を思い返しながら打撲の塗り薬や湿布、骨折部分の添え木の緩みを締め直した。化膿止めの薬やや栄養剤も、ぬるま湯をコップに用意して手際がよく、まるでお医者さんの様だ。その理由は、 昨日、用事から帰ってみると、カルルス温泉が異様な雰囲気になって居たらしい。、米軍の兵士が2台のジープで乗り込み、米軍が英語で早口で喚き散らし「怪我をした外人を見かけないか!」と、銃弾を装填した銃を脇構えで探しまわっているのを目にした。
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岩窟の隠れ家へ初の訪問者は重症患者だった

藪の中の医療処置で藪医者だ! 祖父はお医者さんだとは聞いたことが無い 体が自由に動かないので、服を脱ぐのも大変な作業のようだが、ここは手を出さないほうがうまく行くので、祖父も黙って見ながら傷や打撲部分を点検していた。祖父は、医者ではないのだが健太が悪戯して怪我をしても、絶対怒らず手際よく治療してくれるので、父も母も任せっぱなしであった。 普段は殆ど無駄口はしゃべらない祖父がボソッと 「藪の中の医者だから、これがほんとの藪医者だな!」と、冗談を云いながら手早く添え木を造り「左大腿部は骨が折れているようなので添え木で固定し、あとは打撲とその傷もあるが浅いので応急処置で大丈夫でしょう」と、お医者さんのようだ。
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負傷の将校を背に乗せ藪の中を匍匐前進

オヤジの家は秘密ー怪我人の救出 オヤジの家は秘密だが、祖父は許してくれるだろう。大人の怪我人を薮の中を運ぶか目をつぶって考えた。 「ここから近いですが、狭いところを通りますが大丈夫ですか?」と言ったが、マイクに聞いても返事の仕様が無いのは分っているが、聞いてみた。とにかく可なりきついことになりそうだ。「歩くことは無理なので、僕の背中に乗るようにしてください」と、言いながら両手を地面についた。マイクが何か気づいたようでモゾモゾと小さなカバンを探って皮の手袋を出した。「さっきは、自分がパニックになり手袋のこと忘れていました、これを使ってください」と、渡した。 「少し大きいかもしれないですね』笑っていたが、少しどころではなくかなり大きい。
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根曲がりの原生林でマイクと遭遇

桧原さんの申し出 現在の境遇と将来についてじっくり話し合った。祖父も、祖母と娘の千代を失くし気落ちしていたが、健太の将来が心配で、桧原さんの申しでにホットした。二人は桧原夫妻を交 祖父は、さみしそうな顔と、重荷を下ろした安ど感で複雑な顔だが、笑顔が戻った。祖父はひとつだけ条件を出して、原生林の散策には健太を連れて行く事だった。「オヤジの家」の存在は重大な秘密を健太に継承し、この秘密も重大事だ。桧原夫妻は、いつも山菜を土産に帰ってくるので大賛成だった 桧原さんが道場 父の死亡事故から5年くらい過ぎ、健太も来年から登別温泉の中学校にゆくことになる。両親や祖母を亡くして気落ちしている健太を、桧原さんが道場に誘い稽古を付けてくれた。