現地の心情を大事にしたい!

ヒーロー誕生

特別室はホテル仕様だ

松浦さんはボーイさん?

いつもと違う雰囲気で、においもカルルスとは違うので、目覚めた健太がキョロキョロしていると
「あら、付添いさんのお目覚めよ~」と、声がして松浦さんが立っていた。病院の匂いだ。
健太が、びっくりして飛び上がりベットの上なのでひっくり返り、顔だけ向けて
「おはようございます」と、ベットから降りた。松浦さんが、笑いながら
「おはようございます」と、あいさつ。

「ゆうべは大変だったわね、患者さんはとっくに起きていますよ、朝食は、どうしますか?」と、聞く声にマイクが
「健太君、ここで一緒に食べようか?」と、ベッドのサイドテーブル指さした。
「はいっ、お願いします」
「はいわかりました、私が持って来ます、お待ちください、この部屋は特別室なのでなんでも言ってくださいね」と、何か楽し気な様子で出て行った。

(ピンクのぼたん)

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院長先生の問診

入院延長も決まる

急いで洗面所に行き、顔を洗って顔を振っていると、
「はいどうぞ~」と、頭の上から柔らかなタオルがふんわりと落ちてきた。
松浦さんだった、健太は驚いたが今度は落ち着いて
「ありがとうございます、お借りします」と、言いながら顔を拭き病室に戻った。

「おっ、起きたか」と、言いながら和田先生も来ていた。
「院長が出勤したら、昨日の経過と今日の予定の了承を取っとくよ」と言いながら
「柏木さんは、入院を勧めると思うよっ」と、ご自分の経験値の話だ。

「検査が済んだら、ギブスを巻いて終了だが、その前に部隊にも経過報告をしておいた方がいいな」と、親身になって心配している。
「わかりました、移動や証拠の隠したジープのこともありますから、電話をします」と、マイクも先生を顔を見ながら、丁寧に返事をする」

「ここは、特別室だから電話もあるな、ゼロ発信で外部につながるから・・・」と、レクチャ
「あらっ、先生もここでご一緒しますか」と、松浦さんがワゴンを押してきた。
「僕は、食堂に行こうと思っていたんだ、しばらくぶりで知った顔を見たいしね」

「そうですね、それも良いですね!暫くぶりですから喜ばれますよ~」と、にっこりしたが、真顔になった松浦さんは
「マイクさん、モーニングが終わったら、検査のタイムスケジュールが、詰まっていますから頑張ってください」と、はっぱを掛けて出て行った。

和田先生は苦笑いしながら、
「彼女があんなにテキパキ出来るとは、英語も本物だし、気づかなかったな、最初の年は、無口でおとなしい人だったが・・・・」と、当時を思い出したようだ。

「じゃ、昼頃また来る」と、独り言を言いながら食堂に向かった。

マイクの、レントゲンや心電図・超音波検査などは、最優先で予約してあるらしく、何処もトップで通過し予定通り昼前に終了。

ベットに戻ってほっとしながら、受話器に手を伸ばした。
廊下から足音がして、ランチかなと健太と顔を見合わせると、和田先生とお医者さんが顔を出した。検査終了の連絡は、本人より先に連絡があったのか、マイクも緊張して上半身を起こした。和田先生が

「院長、こちらがマイク・サタケさんです」と紹介し、マイクが姿勢をなおし、
「お世話になっています」と、軽く頭を下げた
「あれっ、こんなに上手なんだ、日本語がー」と、院長が驚く

「アメリカ陸軍の、マイク・サタケと言います」と、今度は頭を下げ礼をした。

「院長の柏木です、こんなに明瞭な、記憶喪失の患者は初めてだな」と、笑い出した。

和田先生が、
「部隊に電話し、同時進行でミーティングできるから好都合だ」と、催促した。

健太は、大人の話になるのを感じ立ち上がり
「散歩に行ってきます」と、言うと院長先生が健太の顔をみながら、
「中学何年なの」と、聞いてきた。健太も院長に正対し、
「まだ、小学生でカルルス分校の6年生になりました」と、答える。

「えっ、良い体しているねー」と、話足りなそうな院長に頭をぺコンと下げ、
「失礼します」と、廊下に出た。

千歳の本部に電話

大隊監察と中隊長が同席していた

マイクが、中隊に電話すると部隊本部にいることが分かり、回してくれた。そばに、大佐もいるらしいので、話が進みそうだと感じたが、
「ゆうべケーリーたちが無断外出・命令違反などで7人が、深夜に戻ったところを拘束した」

大尉は、淡々と話しながら、オロフレ峠の事故の曖昧な報告も、本格的な取り調べを開始したようだ。事故のジープを証拠として提出したいと言うと、ちょっと話が途切れ、
「K軍曹を、トラック型の輸送車で派遣するから送ってくれ」と、事務的に話す。

マイクも戻れるならすぐ戻れと言われたが、今は検査中でギブスも巻いていないので、しばらくここの病院で治療したいなどのやり取りの後で、
「ここに、登別温泉国立病院の柏木院長とカルルス温泉の現場からお世話になっている、和田先生を交えてミーティングしながら電話しています」

「なんだ、早く言えよっ」と、中隊長が動揺したようだ。
「こちらから出向いて挨拶するのが本筋なのに・・・代わってくれ」と、中隊長のジェームス大尉が言う、その旨日本語で話すと、柏木院長がスーッと手をだし受話器を取った。
院長は流ちょうな英語で挨拶、
「前後のいきさつは兎も角、今は記憶喪失の将校が一人、我が病院に収容され治療中なのだから、初期治療をやりかけているので、治療時間を少し下さい」と、逆にお願いしていた。

中隊長も、
「みなさんのご厚意に甘えていいのでしょうか?」と、話しながら、
「少しお待ちください」と、中断して大佐も話の内容を聞いていて、参加した。

ウエル大佐に変わったらしく、
「大隊のウエル・リチャードと言います」
「アメリカ陸軍の恥ずかしいトラブルに、一般住民や医療関係の皆さんを巻き込み、大変申し訳ありません、当方でも、どんな形で収束せればいいのか、判断に苦慮しているところです」

「いまだに、ニュースにならないという事は、みなさんのご努力で隠密裏に進められているのでしょうが・・・後で事実が漏れると東京で問題になっている、国家間の政治問題に影響しそうで、監察の対象として追跡調査をしています」

「責任の全ては私たちにあるので、上部の機関には報告し処分をうける積りです」と、言う。黙って聞いていた柏木院長が、
「ここまで守れた事故の事実は、カルルス温泉の勇気ある住民の意思で、徹底した隠密行動がありました、発端は、ヒグマの生息する原生林で、瀕死のマイク少尉と12歳の少年が遭遇して、直後に装弾した小銃を脇構えの捜索隊に発見されそうになったようです」

「12歳の少年健太君の機転で、根曲り竹のブッシュの地面に潜るようにしてやり過ごして、洞窟まで這いながら、背中に少尉をのせて運んだらしいです」

「現在も、事実関係は信頼出来る人間だけで秘匿していますから、ご安心ください、現在、院内では記憶喪失で、所属・氏名が不明の外人を治療しています」

「これは医療スタッフに公表した、表向きのスタンスですが一般の患者も入院していますが、特別室で接触は少ないです。アメリカの外交官が自動車事故で、入院治療していることにしています、治療経過と情報が安定した段階で、記者報告で公表します」と、丁寧に説明した。

ウエル大佐が、
「いろいろ配慮していただき、大変有難うございます、いま大尉の情報で、不穏分子を拘束し取り調べ中です、所属や氏名の公表をしても、大きなトラブルは起きないと思いますが、今まで公表しなかった事が問題なので、指摘されることは明らかです、無許可の捜索隊や、原生林で実弾射撃の事実が、公なるのは避けたいですが、この辺の話題は、マスコミや学生さんが過敏に反応しますからね」

柏木院長は、
「分かりました、その辺のストーリーは考えます、狭いカーブ道で路肩の崩落で転落、原因は道路不整備のような感じにします」と、院長も結構物分かりが良い。