お迎えはケリーが運転

健太の留学

部隊でも考慮して居た

ケリーが運転

「どうしたの?お父さん」と、健太が心配顔の養父に声を掛けた。
「いや~マイクが運転してくると言うから、気になったのだが~」
「大丈夫でしょう、長い間乗っているんだし、自信が出たのじゃないですか?」と、養母。
「この間も、すこし足を引きずるような感じが有ったので、ちょっと心配したのさ」

「あなた、何をブツブツこぼしているの、ジープは乗用車より簡単だと言っていたわよ」
「そうじゃなくて、関節が完全に良くなったのか気になるんだ」と、養父は骨折の事が気になるようだ
「自信なければ、K曹長を連れてくるかもよ!」と、養母の方が楽観的だ。
「それより、健太の持ってゆくものをもう一度点検して、不足分を足さなきゃな」と、切替た
「話では、マイクさんが用意したくてウズウズしているようよ、嫁入り道具の様に箪笥も持たせる気ではないでしょうね」
桧原家の家族会議は、堂々巡りでいつ話が終わるのやら~

 

 

(海老根ーCalanthe discolor

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健太が、カルルスを離れる日

桧原家は大騒ぎ札幌の姉妹たちも揶揄う

学期末の姉妹たちは、健太をからかう。
マイクから荷物が届き、中身は靴や洋服だったので箱から出してハンガーに掛けたり、靴は靴ひもを通したり、靴の詰め物を出したり、自分の部屋でガサゴソやって居ると、
「靴を履いて見せろだの!洋服を着て見せろだの!」と、健太を着せ替え人形の様に、いじくり回す。

マイクは、何所で買ったのか、洋服も靴も健司の体にぴったりだ。
(正月に来たとき靴やアノラックなどのサイズを聞かれケリーがメモしていたが)
カルルスでは、着た切り雀で一冬同じもので過ごすのが当たり前の日々だから、色々なシャツやセーターもあり一人じゃ多すぎる!

姉妹たちは、最後の日々をメソメソしない様に、気を使ってくれているようだ。
チェックのブレザーを着せて、成美ちゃんが腕を組み
「この2人 お似合いでしょう~(^^♪)」と、はしゃいで歩き出すと、小百合ちゃんが
「お姉ちゃ~ん ずるいよっつ!」と、2人の間に割り込んでくるし。

わいわいやっていると、表に車が止まる音がしてマイクが助手席から降りて来た。
運転席にはケリーが乗って、ニコニコしている、すると後部座席から祖父が顔をだし、マイクが介添えすると
「オ~ センキュー」と、笑顔で 降り立った。
そういえば、朝から祖父を見かけなかったが~

健太が、
「お祖父ちゃん、何所へ行ってきたの!」
「登別まで、マイクを迎えに行ってたんだよ」
「だって、マイクは初めてじゃないし今日はケリーが運転手だし~」

「ま~健太 話はそれくらいにして、中に入って貰いなさい」と、養父が声を掛けて来た。
「はい、分かりました皆さんお入りください」と、玄関の扉を大きく開けた。

マイクが最初に
「今日は、僕が一人で行くと言うと、ケリーもウイル少佐も、一人じゃだめだと言うので付き添いが約一人付いてきました」と、ケリーの顔を覗き見した。家族は大笑いです。
ケリーは、自分の事が話題だと気付いた様ですが、岩井旅館で造ってくれた、お寿司をパクついて知らん顔。
家族と、祖父も参加して健太の送別ランチ会を開いてくれた。

カルルス街道は残雪で小型車では無理

道南バスが徹底した除雪

カルルスは冬真っ最中で、路上には先日降った雪があり下は岩盤の様な氷がぶ厚く残っている。
バスも時々運休し、馬橇がでたり完全に運休したりの日々です。
それが昨日から、大型のブルドーザーが2台入り、カルルス街道は乗用車でも通れる位のコンディションになった。
今朝の定時にバスも出て、マイクたちのジープも問題なく登ってきた。
養父の親友で、道南バスの登別温泉駅の駅長の支社長が優先的に手配したようだ。
そのことが祖父にも伝えられ、今朝の一番のバスで登別温泉駅に迎えに行った様だ。

後でマイクに聞いたのだが、健太の留学に経済的の足しにと、祖父が資金を予備として預かって貰う事を申し出たらしい。
【マイクは、健太が国の奨学生なので資金は十分ですと断ったらしい。
祖父は、健太の親戚関係には十分ケアしているので、将来何か事業でもやるときの、足しにしてほしい」として無理やり預かってもらったらしい】

マイクは、日本人の様に周りに気を使うことが出来る人だ。
やはり日系の血が、そうさせるのだろうか、カルルスのお世話になった人たちに、お土産を持って来てくれた。岩井旅館のコックさんや、健太の友達の分も揃えて来た。
今日は期末の土曜日で、友達も家にいるので健太とマイクとケリーもついて来て、久住さんや鈴木旅館や分校にも顔を出した。皆も、外人2人を従えた健太を眩しそうに眺めながら、女の子は涙を流す子までいた。当時の人気は、チョコレートとか菓子類で、大人には、タバコとかライターや皮のベルトなど、健太のお土産としてではなく、マイクからだと念を押す場面もあった。

祖父の気遣い

マイクの誠実

祖父は、マイクと登別温泉からカルルスまでじっくり話し合ったので、健太に
「マイクさんの言う事を聞いて、頑張って見ろ!」と、大きな手で握手して、ニッコリ笑顔で分かれた。

午後2時ごろ、マイクは後ろに乗り、助手席に健太を乗せて、ジープはカルルス温泉を後にした。
温泉街に宣伝した訳でもないが、岩井旅館の前から分校付近まで、カルルスの全住民が出て来た様な見送りの列だ。

分校の前でケリー曹長が、クラクションを少し長く鳴らして、それまで徐行だったが少しスピードを上げた。大きな拍手を後にして、右カーブで横を見ると、カルルス温泉街の向うにオロフレ山が西日に映えている。
「あ~あれがオロフレ山ですね、あの下が運命の峠なんだなあ~」
「それにしても、健太くんは人気者だね~」と、マイクがしみじみとした話しぶりだ

「ザァッ ナッー マイク アンド ケリージャスト レアラー!」
(That’s not it, Mike and Kelly are just rare )
そうじゃないですよ!マイクとケリーが珍しいからです)
「オーイエス ウイ ワァ エイブル ツーウエル」O’yes Wiwa Able Two Well
(よーく出来ました)
健太は、今まで覚えた英語力を駆使して、会話をしながら、新たな世界に旅立ちだ!