隠密行動で転落ジープを発見・移動・隠匿

ヒーロー誕生

信頼出来るアイヌ族の若者

原生林の活動は遊びの延長

昨夜面接したアイヌ族の若者たちと、予定の集合場所で合流した。祖父も、アイヌ族のコタンで生まれ育っているので、お互いに信頼関係は強いが、今回はさらに深い関係を確認して置きたかった。若者たちは、6名参加しているがいずれも頑強な体で、事故で撤退した鉱山の現場で一緒に働いた仲間で、髭の濃いのは祖父も同じだが無口で機敏に動く。

祖父は、道から200メートルくらい離れたちょっと広い場所に、みんなを集めて今日から始まる秘密の仕事について説明した。
一つ目、転落したジープを探し、捜索隊の到着前に移動・隠匿する
二つ目、ジープを隠した後に、ジープがカルルスから移動されたように工作する
三つ目、怪我をしたマイクさんを、手作りの担架で和田先生の診療所に移動

にほんブログ村 シニア日記ブログへ
にほんブログ村

 

 

【ツルマンネングサ)

祖父はマイクの代行指揮官

原生林を知り尽くした組み合わせ

三つ目以外は、今から速攻で処理するが、昨日から捜索隊がカルルス周辺を嗅ぎまわっているので、絶対見つからないこと。
彼らは自分たちの事故が表沙汰になることを、一番恐れているようだ。
そのためには、怪我をしたマイクさんを見つければ抹殺ることも、考えているようだ。

我々も、関係あることが分かれば、命の保証はない。
今日から、2日分の報酬は鉱山で働いた、6か月分を今晩現金で払うことを約束した。
30代の2人に、道路を見張り捜索隊が原生林に入りそうな場合、口笛で合図を指示。
4人の若者と祖父は、20メートル位の間隔で横一列に並ぶように原生林を進んだ。

峠の下は、岸壁が垂直に切り立っているが、根曲がり竹やダケカンバが密生していて、思い通り進めない。一時間半位かかったが、峠から50メートルくらい離れた、根曲がり竹のまばらになったエゾ松の根元に、ジープが逆立ち状態で見つけた。屋根の幌やピラーは、折れたのか付近には無かったが、マイクが話したパーキングブレーキの取り付け部分は、明らかに細工した形跡を残っていた。

燃料は、漏れたのか周辺がガソリンの匂いがするので、火気の使用を禁止の指示みんなで静かに引き倒し、祖父は予備燃料の携行缶を空にした。アイヌの若者たちは、勿体ないような顔で眺めているが、決して口にはしない。

祖父は、ジープを載せる担架を作るように指示、自分は空いた携行缶にエンジンオイルを移していた。トドマツや、エゾ松の若い木を伐り井桁に組んで、しっかりした担架もできた。祖父は、担架の残材は目立たないように、藪や根曲り竹の下に隠すように指示、捜索隊に自分たちの存在がばれないように気を配る。付近を観察したが、ジープが落ちたのは道路側だが、落ちてから根曲り竹の上を2~30メートル横に滑って来たようだ。

根曲り竹のクッションがマイクを助けた

ジープの痕跡もカムフラージュ完了

マイクが、落ちたのが岩や石が折り重なった傾斜部分で、左足を折ったらしい。ジープが岩場から、バウンドしたときマイクが投げ出され、それもラッキーだった。ここはマイクと健太が潜んでいる洞窟に近いが、ジープの移動に専念した。神輿の様な担架に乗せたジープを、2時間近くかかったが道の下まで移動した。見張りの2人を呼んで、道路を横切り反対側のブッシュの中に移動するのだ、道路の監視をもう少し距離を置くように指。

道路上の移動は、障害が無いので200メートルくらい登別温泉側がに5分も掛からず、昔の原木置き場のあった、加車山側の作業用道路に入った。作業用とは言え、5年位前から誰も入らないのでここも根曲がり竹の密生で、道には見えない。何とか、昔の木材の集積所跡にたどり着き、屋根が半分落ちた倉庫に鉄の塊のような、ジープを運びいれた。

雨が当たらない位置まで、運び込み古いシートを被せ自分たちの痕跡を消しながら道に戻った。先ほどの、エンジンオイルをジープを引き上げたところから、登別に向けて移動したように、携行缶からこぼしながら進みカモフラージュは完了。

祖父たちジープ捜索・運搬隊は、カモフラージュを終えて戻ろうと歩き出すと、昨日からウロウロしているジープが走って来た。祖父たちは、山作業の帰りのような恰好で、担架に根曲り竹や枯れ枝を山盛りに積んで進む。捜索隊がジープで徐行しながら英語で

「けがをしたを人を見なかったか?」と、言ってるが、祖父も知らん顔をして、首を振り分からないふりをした。