記者発表の打ち合わせ

ヒーロー誕生

記者の発表準備

マイクで車いすでリハビリ

廊下の端から、白衣ではない男性が近づいてきて、
「クリードさんですか?あっ、マイクさんに戻ったのでしたね、私は総務部の佐々木と言います」と、、名乗り右手を出してきた。
マイクも右手を出して、握手しながら
「マイク・サタケと言います、お世話になっています」と、挨拶をした。
「院長から聞いて、記者発表会の打ち合わせに来ましたが、お時間はありますか?」と、聞く
「私は、寝るか、食べるのが仕事ですから、いつでも暇です」と、冗談で答えるマイク
「では、お部屋でお話を聞かせてください、やはり日本語が上手ですね」と、言いながら病室に入った。
ソフアーとテーブルを備えられているが、車いすなのでテーブルだけベットの脇に移動。


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記者発表の打ち合わせ

院長発案の事故ストリーがポイント

佐々木部長は椅子を引き寄せ、大きめの手帳をテーブルに置いて座った。
「大体の話は、院長から聞いたのでポイントだけ、打ち合わせて置こうかなと思いまして・・・」
「まず、報道関係には、この後電話しますが、期日は明日で良いですかね」
「私は、打撲の治療とリハビリがありますが、大丈夫です」
「時間は、午後3時00分ごろを設定したいと思います」と佐々木さんが言う。マイクもメモをしながら、少し遅いなと感じた

「ポイントの一つ目ですが、訓練中の事故という事で、将校が運転することが不自然ではないか?と、院長が後で気づいたのですが?この辺が指摘されそうな気がするので、ポイントにしました」
「そうですね、特に野戦演習の場合は、交戦中に運転手の負傷を想定することは出来ますが・・・」
「では訓練の想定内で、緊急時の移動とか連絡とかにして置いてください」
「そうですね、不自然な事故になりますね、僕も相手に上手く乗せられたようですね、院長先生は、鋭いですね」
「いやー、院長も野戦病院を仕切っていた人で、今回の事故には強い関心をお持ちですから・・・」 マイクが

「午前中のミーティングでも、ストーリーつくりは院長先生の発案でしたから」
「好きなんですよ、軍医じゃなくて現場で指揮を執りたかったのじゃないですかね、マイクさんは、院長のストーリーをアレンジして話してください、谷沢千治さんと桧原健太君と和田先生が都合付ば、参加する予定です」
「あっ、そうですか、少し遅い時間だなと思いましたが、健太君は学校ですね」

「そうなんですよ、質問が集中しないように、私の方でコントロールします」
「それでは、私もストーリーを書いて記憶しておきます、でも、私が間違えても許されますね、記憶が曖昧なのだから・・・」と、マイクが笑い出した。
「そうか、その手がありましたね~でも、マイクさんが日本語が堪能なので、明日の記者発表は楽ですね、この辺がポイントの2つ目かな、大体の認識が合えばいいので、これくらいでしょうね」
「よろしくお願いします」と、マイクが会釈した。
「院長も、何か嬉しそうな雰囲気なんですよ」
「皆さんの、好意的な対応で本当に助かりました、有難うございます」
「それは、マイクさんの性格の良さと、日本語の話し方が自然なところでしょうね」
「最初に、健太君に助けていただいたのが、ラッキーでした」と、しみじみ・・・・
「そうですね、何もかもそこが始まりでしたね~それがヒグマとの出会いだったら悲惨な話になりましたよっ」と、さり気なく
「それでは桧原さんのお宅に、電話しておきます」と、出て行った。佐々木さんの最後の言葉を思い出しながら、そうか!≪あれが生死の分かれ目≫だったんだと、また思い出した。

K軍曹が中型の輸送車で

事故ジープを引き取りに

翌朝9時ごろ、和田先生とK軍曹が輸送車で、祖父の家を訪ねて来た。
「千治さん、ジープを引き取りに来たらしいよ」と、K軍曹と運転手も降りてきた。
「早かったね、先生も朝からご苦労さんです」
「私は、暇な医者だから良いのだが、K軍曹が私の家しか知らないので、案内して来たが、私もジープの残骸に興味があったので・・・」と、笑っていた。
「少し待ってください、運び出す手が欲しいので、2-3人たのんでみます」と、身支度して旅館の方に歩き出す。

私も、出前のお礼をして置くかな、一緒に行くか」と、先生も後ろに付いて歩き出した。
K軍曹と運転手も後ろに付いて着たので、異様な組み合わせの4人が岩井屋の前に現れた。
静かな温泉街を、変な組み合わせの4人が、英語で会話しながら来るので目立つ。旅館では、何事かと番頭さんより先に、ご主人が飛び出してきた。
「また、何かありましたか?」と、聞く。
「若い人を、2-3人お借りしたいのですが~」と、切り出した。

ご主人は、側に付いて来た番頭さんをみると、
「いまは、2人しかいなのですが」と、番頭さんは申し分けなさそうな顔で言う。
「千治さん、2人だけならすぐ出せるが、力仕事なのだろう」
「そうです、事故のジープを運ぶので~」
祖父は、後ろのK軍曹に英語で、
「K軍曹、5人で良いかな?」と、聞くと
「はい、ジープは軽いですから、いつも4人で動かして居るので、大丈夫です」と、言う。
「じゃあ、お2人お借りします」と、頭をさげた。

ご主人が
「番頭さん、2人に支度してくるように言ってください」と、言いながらご主人が
「私も行きたいのですが、良いですか?」と、言うので祖父が
「はい、今日の午後に記者発表が有り、情報も公開されるし」と言いながらk軍曹に向いて
「地元の人が現場を見たいと言っているが、大丈夫か?」祖父が通訳すると、
「イエス、問題ないでしょう」と、K軍曹もこの間の夜より、明るい表情だ。
「午後から記者発表があるので、良いでしょうね」と、祖父はみんなにもわかるように、通訳して聞かせた。

「なるほど、地元で起きたことでも、難しいもんだね」と、言いながら、岩井さんが
「足元を固めて来るか」と、旅館の方に歩き出した。祖父が、K軍曹に
「ランチの用意は?」と、聞くと、
「まだ決めていません、レストランはありますか」
「そんなしゃれたもの、ないよ」と、言いながら後ろ姿のご主人に
「岩井屋さん、ついでにお願いがもう一つありますが~」
「何かありますか」と、立ち止まり振り向く
「実は、戻ってくるのは昼過ぎになりそうなので、この2人にランチを用意したいのですが、お願いできませんか?」
「あー大丈夫ですよ、まだ2時間近くあるので充分用意できますが、メニューは任せて頂きますが良いですか」と、祖父がその話を2人に伝えると大喜びで、
「ラッキー」みたいにはしゃいでいる。

祖父が輸送車に乗り込み案内、和田先生も2人の応援者と一緒に岩井屋の車に乗り換え、後ろに付いた。
転落のジープも今日が見納めと、和田先生と岩井さんも見ておきたいと、ジープ搬出ツアーが出発した。