原生林で自動小銃の掃射攻撃

ヒーロー誕生

捜索隊をやり過ごす

7人が気配を消す

捜索隊は、そのまま通り過ぎて見えなくなったので。
祖父やアイヌの若者たちは、転落ジープを引き上げた場所から、原生林に入った。ジープ移動の痕跡を消しながら、落下場所まで戻り垂直の立つ岸壁を右側に見ながら、根曲がり竹の原生林を「健太がマイクを移動したような」格好で、オヤジの家に向かう。途中で、根が曲り竹の素性の良いのを30本くらい切りながら、洞窟の入り口に着いた。祖父は、ここでもみんなに念を押し、これから入る場所は他人には知られたくない所なので、口外し無いこと約束、岩の割れ目に体を入れた。屈強な若者が6人も入ってきたので、健太もマイクも声も出ない程驚いた。


(紅梅)

にほんブログ村 シニア日記ブログへ
にほんブログ村

「この6人は、昔からの仲間で信頼おける人たちだ、今日はジープの隠匿を手伝ってもらいました、今晩はマイクさんを担架で移動する作業も遣ってもらいます」と、紹介した。先ほど、捜索隊らしいのが5~6名カルルスのほうに行ったことをマイクに伝えた。
「どうして分かったのです?僕が頼もうと考えて居たのですよ、僕を入れてこの3人では不可能なので頼めませんでしたが~」

「マイクの話を聞いているうちに、何よりも早く見つけて隠さなくちゃと考えました」と、祖父が笑顔で話してくれた。
「これから、カルルスに行って夕食を作って貰うので、2人ほど一緒に来てくれるかな、残りの人たちは、さっきの担架を小さくして、マイクさんさん用に組み直してください」と、立ち上がりながら

「捜索隊が原生林に入るかも知れないので、音も煙も出さないように厳重に注意すること、誰か沢沿いに見張りをたて、ここの音が聞こえるから確認しながら、相互に口笛で合図しながらやってください、カルルスまで行くのも、迂回しながら痕跡を残さず行動するから・・・」と、若い2人を連れて出かけた。

残った4人は、トンネルの続きの洞窟で担架の改造をはじめめた。

捜索隊接近

担架作りも即監視役

健太も時々様子を見に覗いていたが、突然誰かが接近するザワメキが聞こえた。

急いでいる気配を感じる。
トンネルの入り口を開けると、アイヌの若者が口に人差し指を縦ながら
「捜索隊が来ます」と、短く伝え素早く引き返して行った。
何か、話し声が聞こえるので外の気配に、集中した。
やはり、ここが突き止めたらしいようだが、マイクの顔を見ると、口人差し指をたて耳を澄ましている。健太を招きよせ

「私とジープを探しているらしいです、もっと道路よりだと言っています、藪とブッシュで立往生しているだけです」と、通訳してくれた。

「この密生地には、人は入れないと判断して戻るようです、私は、落ちた時死んだ事になっているようです」と、苦笑いしている。
落下地点から、この場所を推定したが健太のように根曲り竹の下を、ホフクで進む勇気はないようで話し声は遠ざかる。若い4人も洞窟に集合してマイクの話を聞いていたが、静かに、岩壁の割れ目から外に出ると少しずつ間隔を取りながら、2名は捜索隊の後を追い、2名はカルルスへ報告とデイナー運びを手伝いに向かった。

捜索隊はマイクの部下たちだ

潜行捜索のイロハも知らぬ4兵隊

傍若無人の振る舞いで清流の石にの上を飛び跳ねながら進む!罠を掛けた筈の捜索隊は、大きな声で話しながら進むので、後を付けるのは楽な仕事である。岩壁から、道路側に近づくと原生林もまばらで歩きやすいし、見通しも良いだが見つかり易いのも難点である。前方で止まったようなので様子を見ていると、全員が腹這いになりながら声も聞こえなくなった。

2人も危険を感じ、窪みの根曲り竹の下に潜り込んで、瞬間にパーンと渇いた音がした。やっぱり銃を持っていた様だ。少し間を置いて、連続的に撃ち始めたが、何を狙っているのか良く見えない。着弾地が、次第に近づくような気がするが頭を挙げる訳にはゆかず、縮ぢこまりながら顔を見合わせると、頭の上を何発かの弾丸がヒューと通過してゆく音がする。後方でグシャとかカーンと、石にでも当たったような着弾音がしたが、生きた心地がしない

駐留軍とはいえ銃撃訓練は許可が必要

原生林の樹木を傷つけている

どうも何かを狙ったのではなく、適当に射角を変えながら撃ってるだけらしい。4~50発は撃ったらしいが、また話し声がするので頭をあげて見ると、7~8名の外人が立ち上がり、道路の方へ歩き始めた。2人も静かに進んでみると、そこだけが見通しが良く、遠くオロフレ峠も見える開けた広場になっていた。捜索隊は、マイクもジープも見つからず苛ついているようだ。

憂さ晴らしをしたらしいが、迷惑な外人は道路わきに止めてあった輸送車に乗り、オロフレ峠のほうに向かった。2人は、担架つくりが途中なので急ぎ戻った。

一方の2人は、カルルスの温泉の外れで待って祖父たちと合流し、捜索隊が洞窟の下まで接近したことを報告した。祖父たちも追跡した2人のことが気になるので、今回は登別川の源流に向かい最短距離で帰ることにした。前後に、人目の有無を確認しながら、鉱山の作業道路を急行し、いつもの3分の1位の時間で戻った。