ジュニアハイスクール体験入学

健太の留学

ジュニアハイスクール

なんで~みたいな顔も

ジュニアと シニア ハイスクールは、キャンプの敷地が続いているので、マーサー夫人と中隊でマイクの部下のケリー軍曹も一緒だった。

キャンプ内から通学する子供は、殆どいないのだが転任の将校の家族が暫定的にキャンプに入ることもあり、その子供が通学することもある、学校とキャンプは通用門でリンクしていた。まさに健太はその一人に該当するが~

通用門には、兵士が衛士を務めていた。健太のことは周知されているのか、ケーリーがひとこと話し掛けて通過した。

マーサー夫人は校長のドアをノックしながら
「マーサーです」と声をかけた。
「プリーズ カムイン」と言いながら、中年の女性が出てきた。
ケーリーは、この間のブラスバンド演奏ことを、丁寧にお礼を言いながら、健太を前に出して「イッツ ミスター ケンタ ヒノハラ」と紹介してくれた。

 

 

(あじさい)

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「アイ ヒノハラ ケンタ」

「サンダース オブ ウエーティング ビーン プリンスィプル」と右手を出しながら健太を抱きしめる仕草をした。
「レッツ ゴー ザ クラスルーム ビコーズ ゼイ リスン ツー マーサー」と、顔を綻ばせながら校長が先頭になり、廊下を進むと教室から顔を出して
「ウエルカム ミスター ケンタ」とか
「ヘロー」とか、思い思いに声をかけてくるが、全部が全部歓迎していないことも感じた。「ナイス ツー ミチュー」とか
「ハロー」などと返しながら、教室に入った。

校長が、教室の教師の健司を紹介し、続けて
「イッ イ ザ ニュー ス チュウデント オブ ミスターヒノハラ」と、紹介した。

「ヒノハラ ケンタ サンキュー」と軽く頭を下げた。

ケリーは、マイクと健太がキャンプに入るとき、ブラスバンドの歓迎を企画した張本人で、今日は是非同行して、お礼を言いたいと言っていた。

キャンプのバンド仲間が
「子供たちの演奏もしっかり仕上がっているよ」と言うので、その友人の仲介でジュニア ハイスクールへ依頼したらしい。
「サンキュー キャンプ イン パフォーマンス オブ ケンタ」
「アイ ツー サンキュー ツディ」と、軽く頭を下げ
「センキュー!」と、右手を少し上げて、教室を出て行った。

健太は、教室の後ろの席を指定された。
マーサー夫人も後に立って眺めていたが、静かに出て行った。

授業風景が新鮮

生徒が自主的に動いている

授業は数学で、健太にとってはアメリカ式の授業は初めてなので驚いた。
子供たちと先生が一体になっていて、先生より子供たちが教壇に立っている時間が長いようだ。授業風景も子供たちが動いているので、騒がしく感じる。
健太は、指されてもどう答えていいか分からないなぁ~と考えながら、最初の時間は終わった。

休み時間には、健太に関心があるらしくいろいろ聞いてくる。
スーザンは図書館で会っているので、傍に来たが質問はせず逆に友達の質問を詳しく説明して、答えやすくしてくれたり司会役を担当してくれた。
健太の留学前の体験入学の意味や、マイクとの関係を具体的に説明して呉れるので、大助かりだ。

次の時間も数学だったが、マーサー夫人には教わっていないので、わからない部分もあるが生徒が自主的に黒板に書くのを見ていると何となく理解できた。
答え方が色々あっても、先生は生徒の答えを丁寧に聞きながら、皆に問い直して正解に導いて行くのは、時間がかかっても分かりやすかった。

小学校時代には、先生が一方的に計算式などを説明するので、それ以外に時間をかけないので、そんなものかと思っていた。
今回、キャンプに入ってからは山口先生もマーサー夫人も、健太の考え方を尊重し自主的に進む様に指導してくれた。

健太も、自分がやらないと前に進めないことに気付き、自習も予習も一人の時だが、先生と一緒にいるときと何等変わらずやってきた。
当日の午前の授業が終わって、校舎を外から眺めよう出てみた。中にいる限りカルルス小学校より新しくて気持ちいいのだが、外から見るとキャンプの兵舎と同じカーキ色に塗られ、飾り気がなく質素に見える。

グラウンドは広くシニアの生徒が、ボールを抱えて走ったり、防具をつけて体をぶっつけ合ったり珍しい動きのスポーツをやっていた。
観覧用の建物の脇から、教室にいた不良っぽいのと4~5人が何か言いた気に眺めている。
無視して通り過ぎて、午後の授業に臨んだ。

予期した通り

手応えの無い不良グループ

午後は、アメリカの国語(英語)だ。
最近の山口さんの授業も、英語の文法や筆記もあるので慣れてきた。
当初はしゃべるのに集中していたので、文法が何であるのか理解できなかったが、近頃はストレスなく参加できた。

時には,健太も指され惑わずに答えると、生徒たちは一斉に振り向いて驚いた顔をする。
先生も
「ミスターケンタ イズ ザ ポロナンスイエイション ザ ネイティブ イズ グッド」と褒めた。
周りで、拍手する子もいた。

午後の授業も終わり、朝とは違う出口から出てキャンプの方に歩き出した。
市街地に居住する生徒は、スクールバスの乗り場に向かうので、そこで挨拶して歩き出した。校舎の角を曲がったところに、昼休みのグループがたむろしていた。
昼休みの時と同じ人数だから、何か文句がありそうだ。

「ヤァ~オー フォー サムスイング」と、先手を打って声をかけて立ち止まった。
相手は、逆にビックとした雰囲気があった。
それでも中の、リーダー格の赤毛の大きな生徒が
「イッ ケイム ツー トランファー ツースクール イン ファット」と詰め寄ってきた。

健太は、悪びれず
「アイ エクスピリエンス アドミッション」と、相手との距離1メートル位まで詰めた。
顔を真っ赤にして
「イッ イン ザ ウエイ」と、右手のストレートを繰り出した。
健太は、相手の動きがスローモーションのように見えて、顔をヒョイと右に避け30センチくら体を動かしてた。相手は健太の左側を勢いよ通り過ぎる後姿を眺めていた。

相手は益々カリカリに怒って、さっき見たアメリカンフットボールのように体ごと突っ込んできた。真正面で受ける様に立って待って、体が接触寸前に体を沈め上空を通過する寸前に片手で相手の膝を軽く上に押し上げた。
相手の体は、空中で回転して背中から着地して「ウ~ン」と言って気を失った。残りの連中を見回したが、4人はこそこそと後ずさり、校舎の裏の方に見えなくなった。

そのとき、校舎の出口付近から拍手が聞こえた。
「ケンタ アイ クール」と、見覚えのない女子生徒が5人出てきた。
健太は、女子生徒に会釈しながら、このままに出来ないので上半身を起こしながら、背後に回って養父に教わった蘇生法を試した。(背に片膝を当て両肩を軽く後ろに引くやり方)

リーダーは、息を吹き返し自分の立場が理解できずキョロキョロしていたが、女子生徒の笑い声に気付き、立ち上がろうとしたがふら付いている。
健太が手を貸し立ち上がらせ、
「ア~ユウ オーケー」と手を出して握手を求めた
相手も自分の立場に気付き、素直に手を出した。

「アイム ソーリーイッ マイ フォールト」と、頭を下げ
「プリーズ フォー ギブ ミー」と、手を握ったままだ。

周りの女子生徒も、再び拍手で不良グループのリーダーと健太の和解を歓迎した。