ロチェスターからウエストポイントに進路変更

健太の留学

ハイスクールの2年生の秋まで

書類も記入例付きで楽勝

学校から帰ると、ヘンリー少尉からぶ厚い郵便物で「入学申込書」届いていた。お父さんとお母さんにも手伝って貰い、書類の記入方法のレクチャーで夕食も遅くなるほど夢中になった。ヘンリーは、記入例も付けて、2通りの書類を送ってくれたので、分かり易かった。この書類は、どこの役所からとか、学校で記入する部分も多く、丁寧にガイドしてくれていた。

ヘンリーの手紙では、ハイスクールの2年生の秋までに書類を提出すると、審査が早く年内に通知が送付されるとあった。お父さんと、健太はヘンリーから貰った受験手引きを参考に、学校の種類もほぼ満足できる仕上がりで受け取った。

士官学校の入学手続きが、こんなに長くかかるとは思わなかったが、年内に書類審査が終了して入学試験の受験許可が送付された。マイクの時は、お父さんも若く戦後の慌ただしい時代だったので、もっと簡単な気がして居たと漏らしていた。

 

(額あじさい)

 

現代の士官学校の募集は様変わりしているようだ。健太も、スチュアート議員の推薦と、ハイスクールの書類提出などが期日前に送付、受付事務局の評価が良かったらしい。折り返し届いたのが受験日と体力アップの指示だった。

健太は、柔道の練習後に道場の使用許可を得て体力テストの項目を重点的に取り組んだが、バスケや懸垂は設備が無いので前田先生に相談した。前田先生が、徒手体操やボール競技の部活が使っているスポーツセンターの一隅を借り受けてくれた。スポーツセンターに顔を出すと、バスケ部のコーチが健太を知っていて、体操部にも話を付けてくれて、鉄棒の使用許可も話がついた。

健太の士官学校受験許可の話が広がっていて、バスケ部や体操部の部員も健太に好意的で、バスケの下級生がボール出しや拾い方も積極的に協力してくれるし、体操部は腹筋台や滑り止めのロージンパックを貸してくれたり協力してくれた。

士官学校の受験許可

受験通知が、暗黙の友好ムードを醸し出しているようで感謝しながら毎日通って体を鍛え直した。マイル走はトラック競技ではなく、往復で1マイルになるようなコースらしいので、陸上部の友人に話すと長いメジャーを持ちだし、部員も協力してくれて直線のコースを測りなおしてくれた。

(実際は、一マイルを単純に往復するのではなく、途中にショートカット可能なつくりで、ズルする受験者がいれば減点になる仕組みだった)

試験日程は、1日5時間で3日間、体力テストは40分以内に下の種目をクリアすることが、必須条件だった。
腹筋=100回/2分
腕立伏せ=80回/2分
懸垂=18回/5分
膝立ちシュート=100回/8分
マイル走=5分
各種目のインターバルは3分でマイル走だけは屋外なので5分あるが、かなりきつい。本試験まえに達成できる体力をつけることが、通知された。

家族親族の病歴や、手術の病名など留学して疎遠になった家族のことが、テーマになるとは考えても居なかったが、特待の留学生待遇がそれをカバーしてくれたらしい。

受験は、ロチェスター在住の士官学校の進路指導委員と言う人の面接も有り、地域での評判やボランティア活動などの評価もあり、学校の勉強だけでなく学級委員やクラブ活動なども評価点になるらしい。

入学だけでなく、将校を任官してからのリーダーシップの素養も評価対象になって入れらしい。(マイクが生前に、士官学校の話の中で洩らしたたことだが!)

士官学校で欲する人材は、頑健でしなやかな肉体、精神的には折れない心、宣誓した主には絶対の服従と正義感を遂行できる精神力!日本の侍か!厳しそうだ!

受験前の3か月くらいは、その準備作業でハイスクールの授業は受けていなくて不安だったが、先日校長室に書類を届ける機会があって、不安部分を尋ねると

君はもう卒業したんだよ、

士官学校から受験OK

「ミスターヒノハラ 君はもう卒業したんだよ、士官学校から受験OKが出たことはハイスクールをクリアした証拠なんだよ」「まだ、ラストコースが大分残っていますよ」
「士官学校は国立大学で、そこの受験生に選ばれることは、ハイスクールを修了者の条件なんだよ」

「だから、これからも受験に関することは全てに優先するので、遠慮せず申し出て来て下さいよ」「はい 分かりました、ありがとうございます」と、ケンタは校長に頭を下げた。

「士官学校の志望者が、わが校からの受験生は少ないのだよ、一般の大学の方がエンジョイ出来ると思っている生徒が多いので、辛い軍の勉強や訓練を敬遠しているんだよ」「君のメンタルの強さを、見習って欲しいのだがなぁ~」と、校長がコボす。

「あっごめんグッチってしまったね、わが校の誇りだよ君は!」と、両手で肩を抱きしめてくれながら、「マイクさんのこともあるが、君なら心身ともに健康なので、自然な行動で十分クリアできるから、心配しないで受験して下さい」
「はい ご心配をかけました、頑張ってみます」と、言いながらわかれた。