大陸横断計画

健太の留学

気の合うニックに相談

大陸横断のバス旅行

具体的にどうすれば良いのか相談してみた。ニックは、ケンタと並んで話していると、ハイスクールとミドルのフレッシュマンに見える。「ケンタ、どうしてもバスで行きたいの?」と、ニックが心配そうな顔で、ケンタの計画を中止できないか、考えているようだ。

「うん、僕の義理のお父さんの事は、前にも話したから分かっていると思うが、ワシントン州の病院でリハビリをしていたんだが、再手術をすることになったんだ「日本で手術したのでしょう?」「今度、向こうの専門病院で精密検査したんだが、もう一度手術して『腱』の部分を新しい方法で接続すると、歩き方がもっと自然になるようなんだ」「君が見舞いに行っても、大きく変わる訳じゃないのだろう

 

(蛍袋と小判草)

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楽観的な健太

慎重なニック

「それは、何にも変わらないと思うんだが、一人で行動する姿を見せたいのと、僕はこの国を、飛行機じゃなく自分の目で確認したいんだ」「なるほどもっともらしい理論だが、アメリカ生まれの僕さえ危ないと感じる、バス旅行を勧める訳にはいかないんだよ」

「そんなに危険なのかなぁ~」「結構事件が起きるんだよ、外国人、特に日本人が狙われると言う話もあるんだよ」「ニックがそう言うなら本当の事なのだろうが、飛行機じゃ味気ないようない気がするんだよ」「それなら一度、日帰りか、一泊でバス旅行して体験してみれば~その時は、僕が付き合うよ」

「ケンタは、不良に絡まれても自信があるだろうが、奴らは直ぐナイフを抜くから気を付けた方が良いよ」「分かった、お父さんがこの間のシカゴは、昔からマフィアが牛耳って居たが、街を歩いても感じなかったな」「マフィアは、脅しやゆすりなどはしないし、素人を脅したりしないが、学校にも行かないような、テイーンズが一番危ないんだよ」

「グレイーハウンドには乗らないが、ターミナルにたむろしては田舎から出てきた、若者などを狙うらしいんだ」「バスの交通網が凄く発達しているから、便利でいいと思ったが、一人じゃ無理か~」
「若者が、4~5人でも有り金全部巻き上げられたり、老夫婦も被害にあった事が新聞に載ってるから、多いんじゃないかなあ~」「うん、分かったありがとう~家に帰って、お父さんたちに相談して、良い方法を探してみるよ」

家族会議

本音は中止要望

早速、その日の夜「お父さん、僕がバスでマイクのところに行くのは危ないですかね」と切り出した。「うん、そうだそのことで話そうと思っていたんだが、お母さんも 今来るから話し合ってみようか」とキッチンの方を振り向いた。「はい、いまコーヒーを入れましたから、持ってゆきますよ」と、返事がかえる。

お父さんも、ケンタの自主性を重視して、前回相談したときは直接は反対しなかった。ただ、国内の治安と言うか、戦地帰りの若者が仕事が無くて、犯罪を犯すことが多いらしい。「はい、どんなお話ですか?」と、キョウコお母さんが明るくソフアに腰をおろした。「きょうニックと話したら、(グレイハウンド)で大陸横断は無謀みたいな話で、≪出来れば中止してくれ≫と言う意見なんですよ」

「そうだね、ニックの話は適切なアドバイスだと思うよ、現状の国内は決して治安が良いとは言えないし、マイクの事件じゃないけどモラルがどんどん下がっているんだよ」「ケンタ君の気持ちはすごく頼もしくて、ぜひやって欲しいと思ったが、今お父さんが言ったように国内は乱れて居るよね、近隣の外国からも不法入国者が多いらしくて、アメリカ人の大人も旅行は慎重になっているようだよ」

「僕も、ニックの話をいろいろ聞いて、気持が揺らいで来ました。グレイハウンドなどのパンフレットでは、治安の事や辛いことは何も書いていないので、便利なシステムで長距離バス旅行が簡単に出来るんだと勘違いしていました」

「この間のシカゴはバスだと10時間位の行程だが、ニューヨークまでなら8時間半くらいか、これだとバスに乗っているだけの旅行になるのか、それでも途中の停車時間が結構長い所があるから、楽しみはあるな」

グレィハウンドは没

健太には捨て難い思い出が

「もう一度ニックと話を詰めて見ます、僕はバスの乗り方がよく分からないのです、カルルスは登別温泉街から10キロくらい離れていて、夏は2時間に一本のバスがあるのですが、冬になると西部劇の駅馬車の車を外して、大きなそりを付けたような「馬橇」と言う乗り物しか連絡が付かないところでした。吹雪が続くと食糧の補給で大変で、野菜や肉・魚の生鮮食品は1週間くらいは持ちますが不足すると、4~5人の若い人たちがリックのように背負って、運んでいました」

「僕は、バスで大陸を横断できるなんて、いかにもアメリカ的だなあ~と憧れていました」「それは、なんで知ったの?」「お祖父さんが、船から降りるころに、外国の本をたくさん持ってきて、他人にも見られないように、岩壁の洞窟に保管してあったのです、英語やポルトガル語なので文字は読めないのですが、写真や挿絵がきれいなので4~5歳ころから眺めていました、時々お祖父さんが読み聞かせて呉れましたので、大きなバスで旅行をしたいなあ~と考えて居ました」

「お騒がせしました、マイクの見舞いは別の形で計画します」「なにかあったら、話してください、応援しますから」「お父さん、私たち3人で飛行機で見舞いに行くとすると、何日くらいかかるかね」「えっ そういう手が有ったか、クワイッが問題だが車で行くには、体力が無いし~」「もう少し、考えてみようか~」と話が終わった。