日帰りツアー①

健太の留学

市内探索開始

ケンタとニックの

ニックは、健太の好奇心と市内探索で地元を認知して貰おうと同行し、健太の西海岸行きが如何に無謀かを知って貰いたいと考えている。

健太とニックが5大湖の周辺の地図を広げて、何か相談していた。「汽車で行く場合も、バスの場合もここの方が便利だと思うんだが、グレーハウンドのシカゴ行きやボストン行きもここから乗れるよ」「ガイドブックには、リバティー何とか広場の近くにもバス乗り場があるように書いてあるよ」

「あっちにもバスの乗り場があるんだが、市内やローカルのバスが多く、本数も多いから市内を探索するなら、あっちもいい乗り場だよ」「向こうに移動して、ルートや時間表をチェックしてみようか?」「そうだね、歩ける距離なので行きましょう」と、ニックが歩き出した。ケンタも、地図をショルダーバックに入れ、ニックと並んだ。

 

(ねじばな)

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「街中の道路も、ほとんど真っ直ぐだが、時々歴史的な建物を残すために、変なカーブの部分もあるが、ほとんど迷うことは無いね」「僕の生まれたカルルス温泉は、急ぎ足で歩けば5分くらいで抜けてしまうし、人口も住人は100人くらいかな、温泉のお客さんを入れても200人は居ないなぁ~こんなに広い街を一人で歩くのは心細いな~」と、健太も少し不安を感じた。

「ケンタは大丈夫だよ、一人で留学する気になったんだから、僕が日本に留学しろと言われても、決心出来ないよ」と、ニックは肩をすぼめて苦笑い。「いや~マイクさんのお蔭だよ、たまたま山の中で遭遇しなかったら、今頃はヒグマのいる藪の中で木の実を採ったり、野生のキノコを採ったり、まるで原始人のような生活を続けているだろうね」

「そんな生活にも、憧れるなあ~」と、ニックは高いビルの向こうの空を眺めている。「あ~この工事中は、ロチェスターの中心部をループ状に道路を作るんだって」「なんでこんなに広い道路があるのに、街を壊してしまうのかな?」

「なんか知らないけれど、長距離を走る車が多くなって、街中を通るのに時間がかかるので外側をストレートで走る道路らしいよ」「そういえば、グレーハウンドも大きいバスだし、街の中を走るには窮屈かな」

「さっきのロチェスターのアムトッラク駅前だって、狭いからグレーハウンドは寄りたくないらしいんだ、ここの乗降客は少ないからね」「なるほど、バスの会社もいろいろ事情があるんだね、でもロチェスターは世界的にも有名な会社が多いし、人口も多いのになんでだろう~」

自家用自動車時代

「今僕らは、次の目的地に歩いているけど、アメリカは車で移動するのが当たり前になって居るから、バスも列車も乗客がも少なくなっているようだよ」「そうか、自家用自動車か、そういえば多いなあ~」ぶらぶら歩いて15分くらいで、ジェネシー川から2本目の通りを歩いていた。

「あの通りが、イースト・メイン・ストリートと呼ばれている、大きな通りでこの辺から南側に、図書館や美術館・大学・などが多くあるんだ」「それでは、今日の目的バスツアーの実体験をしましょうか?」「ここでは、ほとんど方向音痴ですから、ニック様にお任せします」と、おどけて頭を下げた。

周りにいた、バスを待って居る人たちは、大きな男の子がニックに頭を下げるので、珍しそうに眺めている。ニックも、ケンタに合わせて「それでは、わたしの計画通りのコースで参りましょう」と、大げさなジェスチャーで、チケット売る場を目指して歩き出した。

「ここでは、市を巡回するコースは無くて、ある程度似たようなコースを選んで、着いたら又そこから反対の方に回るコースを選びます」「ケンタは、オンタリオ湖の方には行きたいのかな?」「いや~マイクさんと家族でアイロン・デコイド・マリーン・パークなどにも行った事はあるんだが、忙しかったなぁ」と、3か月前の家族旅行を思い出していた。

市の南東部に向けて

テーマが決まり

「それなら、学園都市の雰囲気のある南東の方に、行ってみますか」と、ニックが料金表とコースを眺めながらメモをしている。「まず、#96(イーストアベニュー)を南下して、#90(ニューヨーク・ステート・スルーウエイ)の交差したところで、#90を西向きに進みます。停留所の場所が確認できていないので、これから案内所でプランを話して、スケジューリングしましょう」と、急に大人になったような、ニックの話ぶりに笑いそうになったが堪えて、「宜しくお願いします」と、健太が神妙な顔で又、頭を下げた。

ケンタは、地図を引っ張りだしたが、イメージが湧かない。地図には、地名は出ているが道路の詳細がよく分からない。ニックは、ケンタの地図を借りて赤鉛筆で、道路の部分にチェックしていたが、「#96も最初はイースト・アベニューでエリー運河沿いに進むんでイースト・ジェファーソン・ロードになり、#90と交差するころは、ピッツフォード・ビクターロードと呼ばれているよ「#90を西に方向転換が難しいが、現地の人に相談した方が良いかもね」と、一人で納得顔で、「取りあえず、話してみます」と、窓口でプランのメモを出した。

女性の相談員が、不思議そうな顔で「どうしてこんなルートなの?あまり面白そうなところもないし、時間の無駄かもね」と、言いながら、地図と時間表を見比べていたが、

「#96の南行きは#90と交わる場所から少し南にバスストップがあるから、乗り換えは何とかなるけど、#90で西行きのバスは、グレーハウンドなので結構先に行かないと乗り換えは出来ないよ。#390でここに戻ってくるのは難しいよ」と、言いながら別の時間表を持ち出して調べ始めた。

「市内循環バスで、市内を見たいのがあればいいんだけど、今は廃止になっちゃたからな~」と、独り言を言いながら、調べている。ニックもケンタも声を掛ける訳にもゆかず、もじもじしていると、「なんでこんなコースになちゃったの?何か目的があるのですか?」と、又聞くので、今度はケンタが

「実は私が、日本から留学してきたばかりで、シアトルまでバスで行くことを計画しました。その予行練習でバスの乗り換えを、ニックに教わっているところです」と、正直に話した。「な~ンだ、そうだったの、それなら私が別のプランを作ってあげるから、15分くらい待って居られる?でもシアトルまではお勧めできないわね」と、呟く。

健太はニックに「大丈夫だよな」と「うん、大丈夫です、お願いします」と、ニックが返事して窓口から少し離れた長椅子に掛けた。「最初から相談すればよかったのかな?」と、ニックが少しがっかりした顔をしたので「そんなことは無いよ、人任せじゃなく自分たちで計画するのが大事なことだよ、でもシアトルまでは難しそうだね!」

「僕もこんなプランは初めてだし、出かけるのはいつも車で両親が一緒なので、関心が無かったんだな、あの人も言っていたがシアトルは、検討の余地があるようだね」「これで、バス旅行の難しさ分かったので、マイクの面会は初めから見直しだな」「役に立たなくて、悪かったね」「何を言うんだよ、ここまで進めてことは皆ニックのお蔭だよ、感謝しているよ」

「大げさだよ、まだ何も行動していないのに~」
*珍道中は中々スタートしません。自動車社会に移行中のロチェスターでは、
当時地下鉄も廃止になって、バスか自家用車しか移動手段がなかったようです。
*アムトラックの鉄道は本数が少なく主要都市に行く場合は良いのですが~