元校長は話好き③

健太の留学

エドワード元校長

健太の英会話

「4か月くらいでこんなに話せるなんて、信じられないなあ~実は私はエレメンタリーの教師をしていたんだが、アメリカの子供たちが自国語を正確に話せなくて苦労しているんだよ」「君の先生方は、素晴らしい人たちだったんだ、羨ましいよ」「英語を教えてくれた先生は、日本人で終戦直後アメリカに留学し大学を出てからアメリカの軍人と結婚し、日本に帰った人でした」

「歴史や社会・数学・理科は、アメリカのハイスクールの先生でした。ご主人が日本で除隊するので、日本に渡り千歳の陸軍のキャンプでお世話になりました」「なるほど、しっかりしたホローが有ったんだね、それにしても4か月で不自由なく生活できるレベルまで、上達するには君の努力も凄いもんだ、感心したよ」と、右手を出したのでケンタも右手をだし

「ところで、お名前は?」と握手したまま話す「ヒノハラ ケンタと言います」と、チョット会釈した。

健太たちはストレスが無い

質問を受ける側だから

「私は、エドワード・シンプソンといいいます、この間までエレメンタリーの校長でした」
「ミスターヒノハラは、ハイスクールのジュニアか~シニアのいわゆる2年生か3年生くらいの体型だが、何かスポーツをやっているの?」と聞くので、ケンタはちらっとニックを見ながら「小さい時から、柔道を練習しています」と、神妙な顔になる。

「あ~なるほど でも柔道をやると身長が伸びないと言われているが、その話は違うようだね」「私は、6歳くらいから道場で遊んでいて、自然に柔道を教わりましたから~」と答えると「それにしても体がしっかりできているから、何段くらいなの?」と、先生は興味が尽きない「いや~まだ昇段試験を受けれないんです、14才になってからですね」

「あ~そうか13才では、身体が完成していないか、ミスターケンタは特別なんだな」「家系でしょうか、祖父も父も大きい人ですから」「受験したら、いきなり2段くらいの実力があるんじゃなのかな」と、柔道にも関心があるようだ。「君も13才か、アメリカの標準的なミドルのフレッシュだね」と、ニックに話しかける。

「はい、ケンタは特別なんです。段位は取って居ませんが、この間シカゴの五大湖沿岸柔道大会で個人優勝したんです」「ほう、ハイスクールに飛び級したのかな?」「いえ、うちのジュニアには柔道部が無いので、隣のハイスクールの柔道部に特待生で入部して、ハイスクールの2段の選手が骨折で出場できなくなり、補欠登録していたケンタが団体も4戦全部一本勝ちで、個人戦も4戦一本勝ちでした」と。ニックが誇らし気に説明してくれた。

「そうか、もう実績があるんだ、すごいミドル生が居たもんだな」

バスは、イーストアベニュー(#31F)を進み、イーストロチェスター図書館の脇に停車したが、ナンシーのアドバイス通り、フェアポートまで行くことにした。地図を出してみると、もうすぐのようだ。「君たちは、なかなかしっかりしたプランで動いているようだね、私はフェアポートに住んでいるので、終点で降りるが君たちはどうすの?」「はい私たちも、終点までゆきます、にぎやかなところらしいので、降りて見学したいと考えて居ます」と、ニックが答える。
「なるほど、誰に教わったの?中々合理的な巡回コースだよ」と、エドワード校長「バスの案内所の、ナンシーさんにいろいろ教わりました」と、ニックが答える。「ここからどこに向かうのかね?「はい 西に向いジェネシー川の近くの大学や空港に行きたいと考えて居ます」

「今日は良い話を聞かせて頂いて、楽しかったよ、ありがとう」と、言いながら、今度はニックと握手し「良い友達が出来て、君も心強いね」と、ネックの肩に手を置いて話す。「家の両親も、ケンタと出かけるときは、全面的に信頼して応援してくれます」「ロチェスターに居る間は、出来るだけホローして手助けてあげて下さい」

「はいわかりました、今日は先生に会えケンタを見直しました、有難うございます」「こちらこそ、ありがとう~元気でね、私も元気をもらいました」

バスは、#31Fのフェアポート中心から少し外れたバスターミナルに入った。「先生、今日は有難うございました」と、ケンタも頭を下げて深い礼をした。「また、会いたいね、その内ホープヒルズに遊びに行くかな」と、笑顔だ「どうぞお待ちます」と、ニックも会釈した。

行く先々で友達が出来る

フェアーポートの街

2人とも「おのぼりさん」になって居た。ロチェスターの街より可なりにぎやかで、「なんでこんなに、沢山の人が歩いているのだろう」と、ニックが驚いている。商店やレストランが多く、バスのターミナルには地名が違うバスが、放射状に並んでいる。エリー運河には、貨物船だけでなく、洒落た客船も停泊し海から離れた内陸だとは思えない風景だ。

2人は、運河が見えるオープンテラスでハンバーグとハムサンドなどを注文してランチにした。そこからはバスのターミナルは見えないが、直ぐ裏側になるので目的のバスには乗り遅れる心配はない、運河には白い大きなヨットが、静かに停泊位置に移動している。

ヨット側からロープを投げられ、岸辺に待って居る人が軽く受け止め、石でできたビットにロープを巻きつける。手際も良いし、動きが軽く見ていて気持ちが良い。ヨットのサイドに桟橋を渡すと、観光の人だろうか4~5人の女性が降りてきて、食事でもするのか何やらしゃべりながら歩いてゆく。

「英語じゃないね」と、ニックも気にしているようだ。ケンタたちは、バスの時間が迫ったのでターミナルに向かう。一日フリーのチケットなので、路線図だけ確認していると、何人かの学生も乗るらしく同じように眺めている。

男女二人づつが何やらテーマも持ちながら、話し合っている。聞くことなく自然に聞こえる話は運河の水運と陸上の貨物と旅客を調べているようだ。ハイスクールになると、外に出て調べることが多いようなので、「ニック ハイスクールになると学校の外に出て学習するらしいね」と、聞くと、「いや~エレメタンリーでも、多かったよ、日本じゃ少ないの?」

「カルルス温泉は山奥なので、外で学ぶのは理科の時間に草や樹木の観察と、昆虫の観察ぐらいで、後はバスで港や漁村にも行ったが、必ず先生が連れていくからね」「ホープヒルズでも、学校の外には先生が付いて行くから同じだね、やはりハイスクールになると休みにグループで調査するんだね」と感心していた。

上級生と友達になる

その話が聞こえたのか、「君たちは、どこの学校ですか?」と、女生徒が声を掛けて来た。
「あっ ごめんなさい わたちたちはブライトン ハイスクールのドーリィーと言います」「はい ホープヒルズジュニアのニックです」「ケンタ・ヒノハラと言います、立ち聞きしてしまいました、申し訳ないです」と、頭を下げて詫びた。

「いや~ごめんなさい私たちが、大きな声で迷惑をかけたわけですから、ごめんなさい」「でも あなたはジュニアではないでしょう?11年生かしら?」と、ケイートが自分たちと同じくらいだと思っている。「ケンタは、留学生ですが13歳でジュニアに入学したばかりです」と、ニックが紹介してくれた。

「まあ~ヒノハラさんは大きいのね5フィート10インチくらいありそうね、バスケかフットボールをやっているのですか?」と、やはり体の大きさが目につくらしい。「日本で育ったので、柔道をやっていましたがバスケは少しできます、フットボールはこれからやることになりそうです」

すると、一緒にいた男子が「僕は、ファンダースと言うんだが、シカゴで留学生が個人優勝したと言うのは、ヒノハラ君ではないのですか?」と、どこに行ってもばれている。「はい まぐれで勝ってしまいました」と、頭をかいていると「あっ バスが出るじかんだよ」と、もう一人の男子学生が時計を見ている。

「あなたたちはどこへ行くの?」「西に向かい空港の近くから、ホープヒルズに行く予定なのですが、決めて居ません」「そうなの、同じ方向になるね一緒にのってお話を聞かせて頂けませんか、日本の留学生には会う事もないので、是非お願いします」と、頼まれてしまった。

バス乗り場に向かいながら、「ケンタ ちょうどいいね 私たちも良く分からないまま、迷いながらバスツアーをやっているので、お願いします」と、ニックが返事をしてくれた。

「テーマの調査もめどが付いたので、楽しみだわ」と、ドーリィーが喜んでいる。