父兄会の支援で校内合宿(サマー②)

健太の留学

父兄会の支援

合宿のプロジェクト

学校の校舎で、サマースクールと言った補習のような事業が有ったが7月末で終了するので、8月学校を利用するのは、柔道部だけだ。柔道部の父兄会は積極的に参加して、予算も付けてくれる話もあるらしい。親の立場として、学校の行事参加はお手のもので、学校側より計画が出来上がり、ステージママではなくて、道場ママの雰囲気。

8月3日の午後3時に、最後の打ち合わせをする頃には、大きな鍋や湯沸しなどを運び込み、「翌日でも良いよ」などと冗談言いながら、道場の外から練習を見学。
(前田先生は、日本の父兄会と変わらないなあ~と思いながら内心ほっとしていた)

 

 

 

(カタクリ)

この日は練習を3時前に終了して、合宿プロジェクトのスタッフは、汗を拭きながらミーティングルームに集合、前田先生が「忙しい所ご参集頂き、有難うございます、ザ ディ アフターに迫りましたが、みなさんのご協力で、今から合宿に入っても良いくらいに準備が整い、関係者として大変ありがたく思っております

「父兄会の、ブラウン会長ご挨拶をお願いします」と、会長を紹介する。

「昨年の、五大湖沿岸の大会で3位と個人優勝と、校内のクラブでも稀にみる好成績を得たので、柔道部父兄会としては優越感に浸っているところです、ジュニアとは言えないほどの有力選手のお蔭で、クラブの活動が盛り上がっているようで、今年も良い成績を残せるようにお願いします、父兄会で出来ることは何でもやりますから、言いつけて下さい」

「有難うございます、デトロイトの後にバッファローか、このロチェスターの開催が検討されているようですが、今年も良い成績を残せるように頑張ります、それでは、各セクションから報告をいただき、今日明日でやることがありましたら、ここで提示して頂きご検討いただきたいと思います、まず、学校のジョーンズ事務長からお願いします」と、前田先生が学校代表の事務長に引き継ぐ。

「前田先生とブラウン会長のごあいさつで、ほぼ出尽くしたと思いますが10日間無事故で終了する事と、火災などの心配もありますので、みなさんの当番制を確認して、確実に実行してください、先生のような言い方になりましたが、校長も心配していました」と、ジョーンズ事務長が続けて

「父兄会の皆さんとOB会には、夜間の巡回も担当して頂きますが、柔道部には居ないと思いますが、夜間に喫煙者などが居りましたら、厳しく対応してください」
「現在サマースクールも一段落しましたが、一部の教科では続けている所もあるので、合宿参加者は道場周辺から教室内部に立ち入らないようにしてください」

「それでは、各セクション毎に打ち合わせて、当番や買い物などの分担などを確認して終了します」「なお明日は、午前10時から2時間だけ練習しますので、毛布などの寝具は明日の午後の持ち込んでも良いように伝えています」

前例ない合宿

予想外の盛り上がり

タダシお父さんから柔道部の合宿の事を、前から聞いて居たので下着や寝具をお母さんと相談して揃えていた。8月4日、練習が午前だけだったの午後2時ごろ、お父さんの車でシュラフや毛布をまとめて道場に運んだ。ニックもお母さんの運転する車で来ていた。

部員は70名くらいだが、ハイスクールの1・2年生は希望者、ジュニアも希望をとり3・4年は全員を対象にしていたが、希望しない部員は参加を強制はしない。参加部員は35名で約半分だが大所帯の合宿になった。

道場は、畳の部分が100畳で取り囲むようにフローリングの部分に、観覧用の長いベンチがあって、ベンチの横からロッカーやシャワールームに繋がっている。反対側の出入り口から、学校全体の共用のキッチンと食堂になって居るが、大きな行事以外使用していないので、サマーホリディーは空いている。合宿用の荷物は、道場の右側ロッカーに近いコーナーにまとめて仮置きした。

父兄会のブラウン会長を始め、当番のお父さんお母さんは何か楽しそうに買って来た食品や、大きなタオルやマットレスなどを運び込んでいた。タダシお父さんも、合宿中は担当があるらしいが内容は教えてくれない。ケンタは知りたくて何度も聞いたが、ニコニコ笑って教えて呉れない。
前田先生が「会長、何か部員がやることが有ったら指示してください「先生!任しておいてください、見なさい、父兄会のみんなも楽しそうにやっているでしょう、子供たちの面倒を見るのがうれしいのですよ」

「私たちは、練習に集中できます有難うございます」と、発案者なので訳なさそうに言う。
「とんでもない、むしろ私たちがお礼を言わなくちゃいけないんですよ、子供たちのためにホリディーを犠牲にして、練習を付けてくれる前田先生のお蔭でホープヒルズの名前が有名になったんですから」

「そうですね、日本では普通なのですが、サマーシーズンに生徒を集めてしごくなんて虐待だと言う声が出そうで心配だったのですよ」「そういう父兄も居ないわけじゃない、しかし勝負に勝つという事は、日本的な厳しい規律の中で指導し、鍛えないといい選手は育たないと言う前田先生の指導方法は間違っていないとおもいます」

「ご賛同いただき有難うございます」とお礼をしていると、
「会長、大たい片付いたので父兄会の人たちに一言話してください、其のあと散会したいのですが」と、父兄会の総務が連絡にきた。

「そうだったね、今ね前田先生にお礼を言われたので、ついつい話し込んでいました、明日からの事は全面的にホローしますから任してください」
「有難うございます、明日は10時から選手の候補を発表して、練習に入りますほとんどが試合形式になりますが、父兄会からナース経験者と現役のドクターも来ていただくようで、心強い限りです」
「まあ~みんなが楽しみながら参加して居ますから、ご心配なく」と、食堂へ向かった。

前触れも無く校長が

練習も真剣勝負で

「やあ~前田先生!」と、ウイリス校長がジョーンズ事務長と道場に入ってきた。
「校長、お休みの所有難うございます」
「みんなも荷物を持ち込んだようだね」
「ほとんどの生徒が、準備完了です今、ブラウン会長もダイニングで父兄会の皆さんと最後の打ち合わせをしているところです」

「あぁ 社長は今日も来てくれたんだね、お世話になりっぱなしだね」
「はい 参加することがうれしいとおっしゃっていましたが、元気ですよ」
「では後で向こうに回っていこうか」とジョーンズ事務長を振り返った。
「校長、部員に一言頂けますか?」と、前田先生が小声で打診。

「そうだね、始めての試みだから、元気づけようか」と、道場を見回した。生徒たちも、校長が来たので近くに集まり始めた。
「大体片付いたかな、校長先生のお話がありますから、近くに集まって下さい畳の上なので、正座か出来ない人はアグラでも良いです、では校長先生よろしくお願いします」

「私も、座ろうか正座は無理だからアグラか、この方が楽ですね」と、言いながら校長も畳に座った。
「前田先生の発案で、合衆国には無い練習方法を取り入れ、大会に備えるのは画期的なことです、その第一回目が明日から始まる訳ですが、聞くところによると、候補の部員は通常の練習とは違う、「オール ア ゲーム」になるようなので、合宿は真剣勝負の積りで、先生やOBのコーチの指導をしっかり受け止めて下さい、柔道に関して、素人の私が言うのが可笑しいかもしれないですが、ここでの勝ち負けは度外視して、真剣勝負がどんなものか体験してください」

「前田先生、私にはこれくらいしか言えないですね」と、校長が前田先生の顔を見る。
「校長先生、武道の真髄を話して頂き有難うございます、みんな校長先生のお話分かったかな?本当は、練習も真剣勝負の連続なんだよ、気を抜いたり柔道以外の事を考えて練習すると怪我をします、怪我をするという事は、負けることなのです」
「校長先生、有難うございます、全員起立」
「校長先生にお礼をいいましょう」

生徒たちは一斉に立ち上がったがり、よろめく者もいたがキャプテンが
「校長先生、有難うございます」と、大きな声で挨拶、続いて部員全員が声をそろえて

「校長先生、有難うございます」と、頭を下げる礼をした。
「今日は、いい機会をいただいてありがとう、怪我をしないように」と、校長と事務長が食堂に向かった。前田先生は、学生時代の合宿の事を思い出しながら、あのころは校長先生は来たのかなあ~