ジープ転落事故の記者発表会

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記者発表は定刻通り開始

柏木院長の挨拶

マイクを救出したのが根曲がり竹のタケノコが出る頃で、もうすぐ夏休みのこの時期北海道が一番好きな季節だ。

「皆さん、ただ今から、オロフレの原生林から生還した、マイク・サタケさんの記者発表会を開催します。わたくしは、登別国立病院の佐々木といいます。今回の、米国軍人の救出・治療に対応して頂いた、柏木院長に挨拶を、お願いします」

「柏木です、本来軍人さんが怪我をした場合、軍関係の病院に搬送するのですが、地理的な問題と一時収容先が元整形外科部長の和田先生のところで、距離的問題と治療の継続性から、国立病院に搬送していただきました」

「当初、事故のショックなどで記憶が定かでなく、身元の確認などは後回しで、治療優先で処置しました。検査や治療中の刺激が効果的に作用し、次第に記憶も戻りこの日を迎えることが出来ました。まだギブスを巻いたばかりなので、復帰までは時間がかかりますがこの通り元気になりました」
「昨日、千歳の部隊本部のリチャード少佐と話、継続治療を了承して貰いました、詳細は直接行動をして頂いた皆さんから聞いてください」と簡単に挨拶をした。

【フェジョア】

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佐々木部長の司会進行

マイクの経過報告

「ただ今、院長より病院収容の経過の、話がありましたが、事故直後から病院までの救助活動に関わった人たちを紹介します。左側から、今回の患者でもあるアメリカ陸軍少尉マイク・サタケさん、登別小学校カルルス分校桧原健太君、カルルス温泉在住谷沢千治さん、元登別国立病院整形外科部長和田信吾さん、以上4名の方々です」

「最初に、マイク・サタケさんから、事故の状況を分かる範囲でお願いします」と、マイクを紹介

「マイク・サタケと言います。わたくしは2日前まで、クリードと呼ばれていました。和田先生が、名無しでは治療できないので、信頼の意味を込めてクリードと付けて呉れたようです。事故は、野戦の演習で、オロフレ峠のお花畑の脇を、ジープで走行中に落石に会い、避けようとして道路脇の岩石に衝突、空中に飛ばされたようです」

「気づいたのが、原生林の中で全身創痍で、左足は痺れて感覚がありませんでした。意識が戻った時、桧原君や谷沢さんが治療や食事などの心配するのが、理解できず混乱していました。呼びかけられても自分の名前が答えられず、ショックでした。桧原君が良く「兵隊さん」と呼ぶのですが、本当に軍人なのだろうか?山小屋にいたのは、ぼんやり思い出しますが、夢の中のようです」

佐々木部長が、打ち合わせ通りレスキュー
「マイクさん、まだ全快ではないのでこれくらいにして、空中を飛んで居たマイクさんを、藪の中ら救助した桧原健太君からその模様を聞いてみます、桧原君お願いします」

健太は有りの侭を話す

手振り身振りで実況を示す

「カルルス分校の桧原健太といいます。マイクさんと会ったのは、祖父の山小屋に遊びに行き、帰ろうとした時です。峠の方で大きな音がして、何か落ちたようでしたが、あの辺はヒグマの通るケモノミチがあるし、近寄らないことになっているので、急いで離れようとしました」

「でも藪が少し動き、人の声がするように感じたので、耳を澄まして地面に伏せて待ちました。5分くらい待っても誰も来ないし、家の方に歩き出すと、また、苦しそうな声が聞こえ、さっきの大きな音で誰かが落ちてきたのかと思い、声のする方に進みました。ヒグマならざわざわと歩きますから、ヒグマでは無そうでした」

「20メートル位先の根曲り竹の倒れた上に、緑色の服が見えますが、ほとんど動かず近寄るのは怖いので、その場で様子を見ていました。5分位待ちましたが、動く気配がないので近づく事に決め、立たずに這いながら、1メートルくらい手前で「大丈夫ですか」と声をかけました。返事はありません。体に触れるところで、もう一度「大丈夫ですか」と声をかけた。それでも動かない」

「私は、立ち上がり顔を見たが、あっちこっちに傷があり、血が流れ、左足は不自然な形で曲がり、良く見るとベルトにピストルとナイフがケース入り、小さなカバンみたいなものがありました、この人は死んだんだと思いました」
「念のためもう一度、肩を揺すってみると、フッートと息を吐き頭が少し動きました。ビックリしてと後ろに転げてしまいました。本当に怖かったです」
「でも、それ以上は動かず、肩で息をしているようでした。怖いのですが危険を感じないので、にじり寄ってもう一度顔を覗き見すると、目は開いているのだがボーと遠くを眺めているようでした」

健太は喉がカラカラになり声がカスレた

佐々木部長が気付き動いた

「桧山君、一呼吸入れようか」とコップに水を注いで呉れた。
健太は、一気に半分位飲むと、会場から小さな拍手がわき、続いて大きな拍手になった。

佐々木部長が、
「クライマックスで水を差してごめんなさい、もう少し進んだらお祖父さんに交代して貰いますから、頑張ってください」と、励ましてくれた。
「はいっ、ここでは名前が分からないので、(兵隊さん大丈夫ですか?)ともう一度、念を押したが僕を見る眼は、何を見ているのか分からないようで、目の焦点が合わないようでした」
「肩に手をかけるのも恐々でしたが、また揺すってみると苦しそうな顔で(あなたは誰ですか?」と、日本語が聞こえました。
「わたしはなぜ此処にいるのですか?」と、今の僕の様なかすれた声で聞いてきました」

「僕は驚きました、外人の兵隊と思ってたのが、日本人だったのだ。頭が混乱してきた。それを聞きたいのは僕ですと、言いたかったのですが、相手はかなりの怪我をしているので、
「私は桧原健太です、ここは、オロフレ峠の下です」と答えると、
「健太 オロフレ」とつぶやくように言ったが、それ以上は続来ませんでした」

「体を横たえたままで、相当な怪我なのだろうと思いましたが、これからどうしたらいいのだろうと考えながら、兵隊さんの顔をみると顔色が悪いし目をつむり呼吸するたびに肩まで動きます、このままではヒグマに嗅ぎつけられ、襲われそうでした」
「日差しは弱く、夕暮れは直ぐなので焦りながら、山小屋に運べばと考えたが、自分の2倍くらいありそうな外人さんをどうして運べばいいのか・・・自分も膝をついていましたが、両手を地面に付けた時、思いつきました。

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