ブラウン会長が上院議員を紹介

健太の留学

ウエストポイントへの推薦了諾!

父兄会長は、残念と言いながら好意的だ

「ミスターヒノハラ できればロチェスターの大学に入って欲しかったなぁ~私も君のお蔭でこの3年間は良い思い出が出来たよ、ミスターサタケにも感謝します」と、ブラウン会長が大きな手を出して、健太とお父さんに握手をした。

今日は、ブラウン会長の経営するホテルで会ってくれることになり、お父さんと話がはずんで気持ち良く引き受けてくれた。「会長には、いろいろとお世話になりましたが、今回も勝手なお願いですが、お引き受け頂き有難うございます」と、健太は丁寧に礼をした。

「そうなんだよ、ミスター ヒノハラの柔道で培った礼儀正しさが私は大好きなんだよ、前にも話したが私が日本に関連の事業を展開したとき、柔道や剣道のスタジアムで、小さな子供たちの礼儀正しく試合するところを見たが、気持よかったね~」

(ひがんばな)

国務省の特待生

日本から留学した生徒

「東京の武道館ですね」と、ケンタ憧れの武道館だ。「そう ブドウカンでしたね サービス業は日本の『礼儀』を見習う事が沢山あります、あっ ごめん自分の話をしてしまったね、誰が良いかな、士官学校出身で信頼できるスチュアートなら、話が早いだろう」と、受話器をとった。

「あ~ホテルのブラウンだが、議員は今居るかな? あーそう 回してくれるかい」
「ブラウンだけど、しばらく会っていいな、ちょっと頼みごとが有るんだけど、電話でいいかい」「ハイスクールの卒業生を、ウエストポイントに紹介して欲しいんだけど、前にも2~3回頼んだことが有るんだが、あの子たちも上手く入学して士官になってくれたが、今回は絶対の太鼓判を押せる生徒なんだよ」

なんだが  あー君も知っていたか~そうなんだよ柔道は5大湖沿岸大会で2連覇している、ヒノハラ君その人なんだよ、君も千歳に駐留したのか情報は入って居たか~」

「君の事務所に行った方が良いだろう、あーそうかこれはワシントンの電話だったか 明日はこっちに来るのか? うん それじゃ明日の午後に、ロチェスターの事務所に行って貰うよ うん 分かった ありがとう」と切った。

「ロチェスターに事務所を置いている、スチュアート元陸軍大佐で、45年秋に陸軍の駐留配置で日本に行っていたらしい、2~3年で帰還して退役した スチュアート議員に頼んだよ」
「済みませんね、モンロー郡選出でしたね有難うございます」と、お父さんも知っている人らしい。

「僕とハイスクールまで一緒だったが、実業界と軍隊に別れ、退役して戻ってから僕も応援しているんだ」と、会長がみずから、スチュアート議員の事務所のアドレスと電話番号を書いて、「明日の午後に戻るらしいので、電話してから訪ねて見なさい」と、渡してくれた。「今はグリーンカードなの?」会長も積極的な姿勢だ「市役所で手続きすれば済むんですが、立派なアメリカ国民になります、願書提出までには終わらせます」と、健太はハキハキと答える。

学者タイプの議員

スチュアート議員の

スチュアート議員の事務所は、ロチェスターに中心街 リバティー・ポール プラザ近くで、比較的小さな5階建ての小さなビルだった。軍人の議員さんだから、元気のいいがっちりした人かと想像していたが、物静かで温厚な話ぶりだった。

マイクの事故や健太が留学した事情も認識して居て、健太のウエス・トポイント志望にも好意的な感想を話して呉れたが、今の教練は昔より厳しいくなったようだ。「ヒノハラ君は、柔道の選手だから厳しい教練はクリアできそうだが、教官には意地の悪いのも居るから、メンタルで負けないようにしてください」

「分かりました、私は自宅の道場が練習場で、一人だけの練習時間が有りました、そんな時座禅を組んで一時間でも2時間でも瞑想することが有りました」「そうか 座禅のことは日本の寺院で僧侶が指導していることを聞いたが、一人で瞑想~それも柔道の練習ですか?」

「はい 日本の武道には「礼法」も加わりますので、正座や立ち上がりや歩き方も指導され、正座の延長で気を静めるときなどゆったりした気持ちになります」「なるほど、私は日本で剣道を少し練習したが、冬でも素足であれは辛かったですね」と、笑いながら、
「君の生まれたカルルスには行けなかったが、札幌の近くのジョウザンケイ温泉で、お風呂に入ったことがありますよ」

議員は千歳に駐留

業務は駐屯地整備

「基地周辺の歓楽街や行楽地も視察したので、結構楽しかったですよ」と、議員も親近感が~
「わたしは、登別と千歳や札幌しか知りませんが、軍用機でアラスカを経由しワシントンに来て、ロチェスターに着いたときは、広大な大陸縦断に驚きました」と、ケンタは率直に話す。

「それでも、柔道で2年連続優勝したのだから、ただ者じゃないんだよ君は!」「いや ただの田舎者ですよ」「それにしても、君の英語の表現力はすごいね!ネイティブの子よりきれいな話し方で、士官学校でも好感もたれるよ」と、議員は感心。
「わたしも日頃の生活で、ほとんど修正の必要が無いので、手持無沙汰ですよ」と、お父さんが笑いながらホローする。

「士官学校は、実力の世界だから特段媚びる必要はないが、相手に良い印象を与える事は大事ですよ、これは軍人の先輩として言ううのだが、柔道のほかに何か特技はあるかい」「とくにはありませんが、強いて言えばロシヤ語を5年ほど続けています」「ロシヤ語か、それは珍しいし凄い特技になるかも知れないね」

「ソフトで手軽で、重要な武器になると思うよ」「実は、ロシヤ語はサタケのお父さんのアドバイスで、ホープヒルズに来て始めたのです」「サタケさん、あなたは凄い「先見の明」が有りますね、何か事情があるのですか?」
「わたしは、高校の教師を長く勤めていましたが、日本と戦争状態になった時、隔離されたりして不満があり退職しました、そんな関係で英語と日本語だけでなく、フランス語かドイツ語を進めたのですが、ケンタくんは私より凄いですよ、≪僕はロシヤ語の方が将来役に立ちそうです≫と言いながら、始めたのです」

「あなた方親子は、大事なアメリカの国民ですよ、今日は気持ちのいい気分になりました」
「この推薦状は、時間を掛けて書いて、直接学校に送っておきますよ」「この預かった経歴や、国務省からの書類は、うちの秘書に届けさせますよ」「いや お電話いただけば伺いますから気を遣わないでください」

議員は庶民的だ

柔道にも関心

「わたしがワシントンの時は、暇で何かありませんかと言うう位ですから丁度いいんですよ」
「それでは、お言葉に甘えてお願いします」「お話を伺ったので、プロフィールの部分だけを参考にします」と、書類に手を伸ばしたので、「宜しくお願いします」とお礼をした。

「ブラウンにも電話して置きますよ、良い生徒さんを紹介して貰ってありがとうと言っておきます」と議員も握手しながら、「ヒノハラ君の柔道は、本当は何段なの?」「どうしてですか?昨年の秋、初めて受験して2段になりましたが」「ブラウンは実力は4段以上と言っていたが?」

「議員 健太くんは小学校時代から体もしっかりできて、きつい練習を経験して実力はあるのですが、年齢制限で昇段試験が受けれなかっただけです」「そうだったのか 年齢制限か実力が有っても上に進めないなんて、少し不合理な感じがするが?」

「合衆国のように民主主義が定着した国でも、このルールは納得できるのですよ、私も健太くんを預かってから勉強しました」と、お父さんが説明。「合理的なルールなの?」議員は納得できないようだ。

「13歳くらいまで、丁度ジュニアからシニアに差し掛かる年代は、身体の成長期なので技の制限も付加してあります、健太くんは受験をすれば必ず受かる実力が備わっていました」
「そうか、技の制限などもあるのか 育ち盛りでは骨格が軟弱だから考慮しなくては、危険なスポーツになってしまうか~」と、議員も説明に得心したようだ

「今日は、いろいろなことで有意義なことを学べたよ ありがとう」と、議員が丁寧に握手。