ロチェスターに到着

健太の留学

閑静な住宅街

千歳・横田・アラスカを経由してワシントン

タクシーは静かな通りをゆっくりすすむ。
健太には、家の境目が分からないが、芝生がきれいな庭の前で止まった。庭の奥の方に、クリーム色でペイントされた2階建のおしゃれな家がマイクの家らしい。家とガレージの間で、大きな犬が

「ウオーン」と、遠吠えのような一声。マイクが、料金を払いながら
「クワイッ」と、声を掛けると今にも飛び出しそうに飛び跳ねている。正面の玄関のドアが開き、女性が飛び出してきた。
「マイク!マイクじゃないの!随分早かったじゃない」とマイクに抱きついた。
「ママ~」と言いながら、静かに受け止めた。続いてお父さんも
「マイク!」と、言いながら感極まって顔を赤くしながら、両手を出しながらマイクの体を抱きしめる

 

 

 

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サタケのご両親

健太の柔道で昔話が

マイクが慌てたように、健太を引き寄せ
「パパ・ママ この子が健太くんです」と、紹介した。健太もバックを置いて、深くお辞儀をして
「ハウ ドウー ユー ドウーマイ ネーム イズ ケンタ ヒノハラ」と、会釈するとお母さんは両手を広げながら
「ナイス トウー ミーチュー ウー」と、肩を抱きしめてくれた。お父さんも、
「ナイス ボーイ ジェントルマン ミーチュー」と、両手で握手しながら、身体を抱きしめてくれた。マイクが
「この続きは、家の中に入って話そうよ」と、みんなの背を押しながら、

「クワイッ、後で散歩に行くぞ!」と、声を掛けた。
クワイッも分かったのか、尾をちぎれそうに振っている。健太は、父母と早く死別して居るので、マイクの親子関係が羨ましいよりも懐かしく、昔を思い出させてくれる、映画の一コマのように見ている自分の冷静さに驚いた。

マイクの話と健太の話で盛り上がり、夜中まで続いた。お父さんが、健太の話ぶりを聞きながら、
「健太君の入学を検討してきたが、この分だとハイスクールも大丈夫なだな」
「お父さん、英語の特訓が利いて居ますかね」
「十分だ、ネィティブよりきれいな英語だ、授業に付いて行けるよ」
「英語の先生は、終戦直後に留学してアメリカで結婚した山口さんで、歴史や社会問題はマーサー・ブラウン夫人と言う本国で教師の経験ある人です」お父さんは、少し考えながら

「う~んどこかで聞いた名前だな、健太君のクラス分けは2~3日したら、リチャード校長に面接をして、相談しよう~」
「あのリチャード先生が戻っているのですか~」と、マイクが急に元気な声を出した。
「校長になって、充分貫録も付いたよ」と、笑う。

「お父さん、健太君は柔道をやっていて、可なりの上級のレベルなんだよ」と、マイクが切り出した
「有段者か?」と、お父さんも興味を示す。
「いや~日本では小学生は段級の試験は受けられないので、資格はまだ不明だが~桧原さんの話では、初段以上2段も十分らしいよ」
「そうだね、年齢の割に体が出来ているから、ハイスクールにも編入できるよな」と、元高校の先生は健太君の体を眺めている。

お母さんが
「お父さん、変ですよっ 健太君の身体を舐めまわすように見ているっ」と、笑っている。「いや~失礼っジュニアに柔道場が無いので、シニアに飛び級でもと~考えて居たんだ」
「な~るほど、それも有りか」と、マイクも乗り気だ。
「変ですよ、二人とも健太君を除け者にして熱を上げて~健太君の気持ちを聞いて見なさいよ」
「あの~僕は柔道より勉強の方が気になって、柔道をやる余裕が未だ無いんですよ」

クワィッの運動

早朝の散歩

私も昔柔道をやった事があって、思わず興奮してしまったんだ~」と、お父さんが頭を掻いている。
「お父さん、それは初耳ですよっ」と、マイクが抗議する口ぶりだ。
お母さんは笑いながら
「そうですね、結婚前に腕を折ってデートは腕を吊って居ましたよね」と、昔の話をした。

翌日、疲れているはずだが6時前に目が覚め、顔を洗っていると、
「健太君も早いね~」と、マイクが起きて来た。
「涼しいうちに、クワイッと散歩にゆこうか~」
「はいっ、行きます」と、支度して外に出る。
クワイッも察したのか柵内で、飛び回っている。街は人通りがなく、静かなたたずまいで、どの家も庭が広くその割に家が小さく見える。5分くらいで、公園がありここも芝生の部分と背の高い木々がバランスが良い。

マイクが、辛そうなので
「少し休みますか」と声をかけると
「緊張が解けたのかなあ~、身体が鈍っちゃたよ」
「クワイッ、これからは健太君がお前の相手だからね」と、クワイッに話しかけた。
クワイッも、事情が分かったののか、マイクと健太の顔を見比べている。マイクの不自然な歩き方を感じているようだった。
健太も、静かな住宅街を歩きながら、曲がりくねったカルルスの温泉の街並みを思い出した。
まだ実感がないが、なぜか千歳のジュニアハイスクールの、クラスメートの顔を思い出した。